会談に臨む自民・坂本国対委員長(中央左)と立民・笠国対委員長(同右)ら(7日午前、国会内)

自民党は7日、野党に衆院予算委員長のポストを譲る方針を示した。自民党の坂本哲志国会対策委員長と立憲民主党の笠浩史国対委員長が同日午前に国会内で会談した。常任・特別委員長、審査会長のポストは議席数に沿ってドント式で数を割り振ると合意した。

10月の衆院選で与党の自民、公明両党が過半数を割り込んだ。立民はこれを受けて衆院の委員長人事で譲歩するよう主張した。常任委員会は6、特別委員会は3の委員長ポストを立民に配分し、議院運営委員長と予算委員長を譲るよう要求していた。

坂本氏は笠氏との会談後、記者団に「選挙の結果を真摯に受け止めたい。国会でしっかりした委員会運営をしていかなければならない」と語った。笠氏は予算委員会に関し「熟議の国会の象徴的な委員会になるように運営したい」と強調した。

予算委員会は内閣が提出する国の予算案を審議し、国政の重要課題を話し合う場だ。首相が出席する論戦の機会も設けられる。

衆院予算委員会は首相が出席する論戦の場も設けられる(写真は2023年11月)

委員長には委員会の開会日時や採決の決定、審議の進行などの権限がある。直近の通常国会でも自民党の予算委員長が職権で採決日程を決め、2024年度当初予算の衆院通過を急いだ。

野党側が予算委員長ポストを獲得するのは珍しく、政府・与党にとっては想定通りに予算審議・採決を進めにくくなることが想定される。年内に予定する臨時国会での2024年度補正予算案の審議などに影響がでる可能性もある。

自民党は予算委員長を立民に譲りつつ、議運委員長は引き続き自民党に割り当てる案を提示した。議席数をもとに譲歩は避けられない状況とみて、本会議の日程や議題など運営を協議する議運の委員長を保持するために予算委員長は譲った形だ。

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