毎日のようにニュースになっている「103万円の壁」の見直しですが、そんな中、別の壁に新しい動きがありました。

一部の人が厚生年金に加入する「106万円の壁」の撤廃に向けて、厚生労働省が議論を本格化させることが分かりました。

8日のテーマは、「106万円の壁撤廃」で負担増?ソレってどうなの?です。

年収を巡っては、いくつかの壁があるんですが「106万円の壁」はどんなものか分かるのか街で聞いてみました。

――「106万の壁について」?

パート従業員:
つい、この間主人と話していた。よく分かっていないが、扶養から外れる?

パート従業員:
社会保険に入らないといけなくて、厚生年金を自分で払う。

では、年収の壁について改めて確認していきましょう。

今、話題の「103万円の壁」とは、年収103万円から所得税が課税されるというものです。
これを178万円に引き上げることで手取りを増やすという案です。

しかし、年収の壁の先には社会保険料の壁があるんです。
従業員51人以上の企業に勤めている場合、年収が106万円に達すると厚生年金に加入し、社会保険料を支払うことになります。
これが、年収130万円になると企業の規模に関係なく払う必要が出てきます。

では、なぜ今「106万円の壁」を撤廃しようとしているのでしょうか。

社労士と税理士の資格を持つ渋田貴正さんに聞きました。

社労士・税理士の渋田貴正さん:
扶養に入りっぱなしだと基本的には国民年金だけ働いていた会社員に比べて年金が少なくなるので、老後の備えという意味で厚生年金の加入者を増やしたいという狙い。

将来もらえる金額が増える一方で、デメリットはどうなのでしょうか。

社労士・税理士の渋田貴正さん:
加入義務に引っかかる場合、今回「(週に)20時間」というのが1つのバー(線引き)になると思う。(週)20時間で(社会保険に)加入する人と19時間で加入しなくていい人のどっちが手取りが増えるか、間違いなく19時間の人だと思う。

メリット・デメリット両方あるわけですが、「20時間の壁」について街の人はどう感じているのでしょうか。

パート従業員:
私が20時間を超えて支払っているのでそこは変わらないんですけど、入らないといけないとなったら、あえて働かない人も増えてくるのかな。手取りはこれ以上減らされるとすごく困る。

パート従業員:
今(週20時間程度)以上に働こうとは思わないので、今の時間をキープしつつそれでも払わないといけないものが出てくるなら払って、ちょっとがんばってみようかな。

「106万円の壁」がなくなることで、新たに社会保険料を支払う人は実に200万人なるとみられています。

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