立憲民主党の酒井菜摘氏=4月16日、江東区で

28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、立憲民主党新人の元江東区議酒井菜摘さん(37)が当選を確実にし、事務所で笑顔を見せた。 がん治療などを乗り越え、東京都の小池百合子知事が支援した無所属新人の乙武洋匡氏(48)ら8候補を破った。 療養と仕事の両立など、自身の体験も糧に国政に打って出る。

◆「困り事解決を」

結婚を機に移り住んだ江東区内の病院で助産師として働いていた28歳の時、子宮頸(けい)がんが見つかった。手術と抗がん剤治療を受け、仕事を続けた。 2015年4月の江東区議選に同世代の女性が立候補していることを知って親近感を抱く。高額医療費、治療と仕事の両立など「困り事を政治で解決できるかも。次の選挙に出よう」と決意。2019年の区議選で初当選した。

◆不妊治療も

2023年春の区長選で初の女性区長が誕生し、同性によるパートナーシップ制度導入に向けた検討が始まるなど「新しい風が吹いたと思った」が、その区長が公職選挙法違反事件で辞職した。 支援者らに背中を押され、区議を辞して区長補選に立候補。落選はしたものの「女性の声が政治に届いていない」との思いは変わらず、今回の補選に挑戦した。候補者の擁立を取り下げた共産党の支援も得て、国政への切符を手にした。 不妊治療の末に授かった長女と過ごす時間が何より幸せという。 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。