週明けから始まる特別国会で存在感を高める国民民主党が求めているのが「トリガー条項」の凍結解除です。実現すれば、1リットルあたり25.1円のガソリン税が軽減され、ガソリン価格の引き下げにつながりますが、議論の行方は?(11月9日「サタデーステーション」OA)

■運送会社からは期待の声

和歌山県御坊市の運送会社では、「トリガー条項」凍結解除の動きに向けた動きに大きな期待を寄せています。

紀勢運輸 杉本和隆社長
「できる範囲で速攻性のある対策をやっていただくのがお願いというか要望です」

地元のJAで積み込んでいたのは和歌山ミカン。大型トラックで東京の大田市場に届けます。

紀勢運輸ドライバー
「300リットルから400リットル入れます」

和歌山を出発し、高速道路を経由しておよそ9時間かけて東京へ。往復すると軽油400リットルを消費するため、軽油1リットル140円の場合、1回の輸送で燃料代は5万6千円かかります。

紀勢運輸 杉本和隆社長
「先月こんな感じでございます。閑散期で250万円ぐらいですか。(経費の)40%くらいは燃料費でいきますね」

経費を抑えるための努力も。

紀勢運輸 杉本和隆社長
「省燃費の車を導入して 何とか耐え忍んでるような状況です。」

■代わりの財源が課題に

「トリガー条項」とは、レギュラーガソリンの平均価格が3か月連続で160円を超えた場合、ガソリン価格に上乗せ分を減税するというもの。発動されれば、ガソリン1リットルあたり25.1円、軽油は17.1円分減税されますが、東日本大震災以降復興財源を確保するため凍結されています。国民民主党は、その解除を求めていて、8日から自民・公明との政策協議が始まりました。

9日、都内のガソリンスタンドの現金価格は165円でした。

ガソリンを入れに来た人
「21リットルで3500円位です」
「公共機関の電車とか使わないで車での生活なので、税金減らしてほしいです」

トリガー条項が発動された場合どんな恩恵があるのでしょうか?

紀勢運輸 杉本和隆社長
「一概にガソリンが安くなったら給料上がるという話じゃないんですけども、その兆しは出せます」

紀勢運輸ドライバー
「(凍結解除で期待するのは)給料かな。上がってくれたら嬉しいですね」

しかし高いハードルが。

村上総務大臣(8日の閣議後会見)
「地方財政への影響が生じるととともに販売、流通業界への影響など実務上の影響が指摘されているところであります」

「トリガー条項」が発動すれば国と地方でおよそ1兆5000億円の減収に。代わりの財源をどう確保するのかが大きな課題です。

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