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30年ぶりの決選投票に持ち込まれた総理大臣指名選挙。石破総理が再び指名され、第2次石破内閣が発足しました。

脆さを抱える少数与党としての船出となりましたが、11日に注目をさらったのは、国民民主党の玉木代表でした。選挙で躍進して時の人となりながら一転、自らの不倫報道で、謝罪に追い込まれる事態となりました。

浮き沈みが激しいのは永田町の常ですが、日本の政治の景色はこれからどう変わっていくのでしょうか。

■野党の“協力”不可欠に

午前10時前、野党第1党・立憲民主党の野田代表が会談したのは、石破総理大臣です。選挙後初の党首会談。野田氏が、企業・団体献金の禁止や政策活動費の廃止など、政治改革を協議するよう求めたのに対し、石破総理は、与野党での協議について年内に結論を出したいと伝えました。

野党の協力なしでは予算案も法案も通せない、石破総理。立憲との会談の前には、国民民主党とも会っています。

この記事の写真 石破茂総理大臣
「野党の皆さま方のご意見を誠実に謙虚に承りながら、国民の皆さま方に見える形であらゆることを決定したいと申し上げた。ご協力をお願いした次第です」

会談相手の国民民主党。手取りを増やす公約が追い風となり、存在感を増してきましたが、その風向きが変わりかねないニュースが、この時すでに永田町を駆け巡っていました。

■国民 玉木氏“不倫報道”で謝罪

午前9時半から行われた緊急会見。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「11日朝に報道された内容についてはおおむね事実です。家族のみならず、期待を寄せて頂いた全国の多くの皆さんに心からおわびを申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」

報道は、週刊誌フラッシュのウェブ版が報じた玉木代表の地元・高松市で観光大使を務める元グラビアタレントの女性との不倫疑惑について。玉木代表は記事の内容を「おおむね事実」と認めました。30分間におよんだ会見の中で、何度も口にしたのは妻への謝罪の言葉です。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「私の妻はですね。日本一、夫のために地元を守ってくれる妻です。妻子のある身で他の女性に好意を持ったという事実は本当に申し訳ないと思ってますし、妻には謝っても謝りきれないと思います」

衆議院選挙で大きく議席を伸ばし、国会のキャスティングボートを握る存在として一躍、時の人となった玉木代表。投開票日から3日後の深夜、新宿のワインバーで会っていたといいます。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「(Q.衆院選の後、いい気になっていた、高揚していたか)27日投開票、28日とずっと寝ていませんでしたし、正直ご指摘いただいたように浮かれた部分があったと思います。それは本当に反省をしなければいけませんし、戒めていかなければならないと思っています。大変冷静さを失った行動だったと反省しています」

その女性とは選挙前の7月、高松市内の同じホテルに泊まっていたことも報じられました。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「(Q.なぜその女性に惹かれたのか)妻子のある身で他の女性に惹かれたということは、ひとえに私の心の弱さだと思います」

相手の女性について、高松市は観光大使の解職を含めて検討しています。玉木代表も進退が問われました。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「同時に国民民主党に期待してくれた多くの方は、例えば103万円(の壁)の引き上げを期待して入れてくれたのだから、今回の騒動を挽回(ばんかい)するためにも、全力で103万円の引き上げやってこい、これは妻からも息子からも言われました」

そして、緊急会見から2時間半後。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「心からまず、おわびを申し上げたいと思います。申し訳ありませんでした」

初当選議員らに深々と頭を下げると結束を呼び掛けました。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「よろしくお願いします。頑張りましょう」

出席者から批判の声は上がらず、全会一致で代表続投が決定。また、総理指名選挙では決選投票になった場合も含めて、玉木代表に投票する方針が確認されたといいます。ただ、全員が納得しているわけではないようです。

国民民主党 伊藤孝恵議員
「最低だ。国会が“対決より解決”の政策議論を取り戻せるかもしれない千載一遇のチャンスに何やってくれてんだよ。どうか皆様『不道徳であっても政治家としてしっかり働いてくれればいい』とか『玉木も人間だったのね』等のコメントで玉木雄一郎を甘やかさないで下さい」

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■30年ぶり決選投票で決着

■30年ぶり決選投票で決着

午後2時半に始まった総理大臣の指名選挙。1回目の投票では過半数に達した人がいなかったため、221票を獲得した石破氏と、151票を獲得した野田氏が決選投票に進むことに。そして迎えた2回目の投票。決選投票では石破氏か野田氏どちらかの名前を書くことが求められます。それ以外を書いた場合は無効です。そして、1票でも多く票を集めた人が内閣総理大臣です。

額賀福志郎衆院議長
「投票の結果をご報告致します。2人以外の氏名を記載したものが84票。これは当然無効です」
「石破茂君221、野田佳彦君160、他に無効84」
「決選投票の結果、石破茂君を本院において内閣総理大臣に指名することに決まりました」

石破氏は参議院でも総理大臣に指名され、これで103代目の内閣総理大臣選出が決まりました。最初の仕事は各党へのあいさつ回りです。

石破茂総理大臣
「お世話さまでございます」 日本維新の会 馬場伸幸代表
「どうもおめでとうございます。おめでとうございますと申し上げていいのか」 石破茂総理大臣
「難しいです」

少数与党は引き続き、野党の顔色をうかがいながら、厳しい政権運営をしていくことになります。

野党は野党で反省があります。決選投票で出た無効票84票は単なる“死に票”ではなく、自民党政権の存続に役立ちました。

立憲民主党 野田佳彦代表
「やはり野党間の連携をして本当に政権を取りにいくというところの、いわゆる共通認識をまだ作りきれていなかった」 国民民主党 玉木雄一郎代表
「我が党以上の票が、28票以上の票が無効になっている。ここをどうしていくかというのは、むしろこれからの野党第1党・野田代表のリーダーシップが問われると思いますし、やはり基本政策の一致というのを避けないで、きちんと向き合っていかないといけないのではないか」

夕方に組閣人事が行われ、第2次石破内閣が発足しました。とはいえ、第1次内閣は先月1日に発足したばかり。今回は落選した大臣ポストなどを補充する、小幅人事に留まりました。

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■内閣支持率“4ポイント減”

■内閣支持率“4ポイント減”

この週末、報道ステーションが行った世論調査。

今回の選挙で自民党の政治とカネの問題に「けじめがついた」と考える人は7%に留まり、87%の人が「けじめはついていない」と考えていることが分かりました。

与党が過半数を割り込んだ選挙結果は約6割が「良かった」としています。

ただ、今後の政権の枠組みを聞く質問では「自民・公明を中心とする政権」が、「立憲民主党を中心とした野党による政権」を上回る結果となりました。

石破内閣の支持率は前の月より4ポイント減らし、38.3%でした。

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■玉木氏は街頭で“謝罪”も…

■玉木氏は街頭で“謝罪”も…

11日の特別国会終了後、街頭に立った玉木代表。自身の不倫問題について頭を下げました。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「きょうは恥を忍んでここに来ました。本当に申し訳ありませんでした。私が引き起こした問題を挽回するためにも、何としても103万円の壁の引き上げ、基礎控除の引き上げを実現してまいります」

演説に参加した新人議員の受け止めです。

国民民主党 新人 石井智恵衆院議員
「びっくりはしましたし、同じ女性として色々な思いがあるが、私は変わらず玉木代表を支えていく」 国民民主党 新人 丹野みどり衆院議員
「非常に残念なニュースだが、それはそれこれはこれとして。(Q.政策への影響は)全くない。政策とプライベートのことは全く関係ないと思っているから」

街の人からは厳しい声も上がっています。

会社員(20代)
「自分の欲望に負けてしまう人で大丈夫なのかな」 パート(60代)
「責任感がないというか、それだけの政策を掲げていて行動が伴っていない。他の人を立てて、陰で支える側に立ったらいかがですか?」 この記事の写真を見る
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