2025年夏の東京都議選(定数127)に向け、前広島県安芸高田市長の石丸伸二さん(42)が、地域政党を新たにつくると表明した。7月の都知事選で次点となり知名度が高まっただけに、都議会の主要会派は支持政党のない有権者らの取り込みなど、選挙戦への影響を注視している。

◆YouTubeで呼びかけ「一緒に東京を動かしましょう」

 石丸さんは12日配信の動画投稿サイト「ユーチューブ」の番組で「都議になろうという方は、準備を始めておいてください。ぜひ一緒に東京を動かしていきましょう」などと呼びかけ、12月中に記者会見して詳細を発表するとした。  都知事選では政党の支援を受けず、無所属で出馬。交流サイト(SNS)などで支援を広げた。投開票日の東京新聞などの出口調査では「支持政党なし」層の投票先で最多は石丸さんの38%。小池百合子知事の30.6%、立憲民主党や共産党などが支援した蓮舫さんの16.6%を上回った。

都知事選で大勢の聴衆を集めた石丸伸二氏=6月22日、東京都台東区の上野駅前で

 「石丸新党」が支持政党のない人たちの受け皿となる可能性に、都議会の立民幹部は「都知事選でも取られた。怖さはある」と警戒。公明幹部も「影響はあるだろう」と話した。  劇場型の選挙を懸念する声も。小池知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」幹部は「石丸劇場にはあまり付き合いたくない。今後都政でやるべき仕事を公約、政策として訴え、支持されるように力を尽くすだけ」と語り、立民幹部も「振り回されたくないので、地道に選挙戦をやっていく。奇策はない」とした。  石丸さんが政策を発表していないため、自民幹部は「小池都政を敵視し、新たな都政をつくるとうたうのか、そうじゃない路線なのか。今は何とも言えない」と様子見の構えだ。  都議会は現在4人欠員の123人。会派構成は
▽自民29
▽都民ファ27
▽公明23
▽共産19
▽立民14
▽ミライ会議4
▽地域政党自由を守る会2
▽無所属5
となっている。(原田遼、奥野斐、押川恵理子) 

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