自民党が検討している政治改革に関する論点整理の内容が判明した。派閥裏金事件で政治資金収支報告書の不記載などが発覚した裏金相当額の2倍(約14億円)を、東日本大震災や能登半島地震の復旧・復興のために党から寄付すると明記。政治資金を監視する第三者機関は国会に設置することを基本として検討する。
自民は15日、党政治改革本部(渡海紀三朗本部長)の会合を開き、論点整理について協議。来週にも全体会合を開き、党としての案を取りまとめたい考えだ。
論点整理では、政党から政治家個人に支出され、使途が公開されてこなかった政策活動費について、存続と廃止の二つのケースを検討。廃止の場合は法律で規定した上で、党から外部への支出のうち、プライバシーなど公表内容に配慮が必要な支出は「第三者による必要な監査を行う」とした。存続の場合は、6月に成立した改正政治資金規正法に盛り込まれた「領収書の10年後公開」などの枠組みを維持する。
第三者機関は国会への設置を基本としつつ、「行政に置くことも視野に入れて検討する」とした。政策活動費を存続させる場合に行政府に設置する考えだ。
改正法では不記載や虚偽記入の相当額を国庫に納付する時は、公職選挙法の「寄付の禁止」規定を適用しないと定めている。論点整理では、改正前に起きた裏金事件について、政党に違反があった場合に相当額の2~3倍を支払わせるドイツの例を引用し、党からの寄付を「早急に実施する」と記した。裏金事件で起訴された元議員らの分も含めると不記載などの総額は約7億円に上るとみられ、その場合、寄付額は約14億円となる。
政治家が政党支部に個人献金した際の税優遇については「寄付金控除の対象とはしない」と明記。個人が政党などに寄付した場合の税額控除の割合について、現在の3割から4割への引き上げを検討すべきだとした。企業・団体献金については「政治改革本部で議論しておく必要がある」と記すにとどめた。【竹内望、高橋祐貴】
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