当選確実となり、花束を手に笑顔を見せる斎藤元彦氏=神戸市中央区で2024年11月17日午後9時47分、北村隆夫撮影

 前知事の失職に伴う兵庫県知事選で、当選を確実にした斎藤元彦前知事(47)は17日夜、全会一致で不信任決議を突きつけた県議会や県内の首長との向き合い方について「オール兵庫でワンチームでやっていくことが大事」と語った。神戸市内の事務所で報道陣の取材に答えた。

 斎藤氏を巡っては、元県西播磨県民局長の男性が3月、パワーハラスメントなどの疑惑を記した文書を一部の報道機関や県議に匿名で配布。元局長は県に公益通報もしたが、県は5月、公益通報の調査結果を待たずに元局長を停職3カ月の懲戒処分とした。

 疑惑の真相究明を目指した県議会は6月、51年ぶりに調査特別委員会(百条委)を設置。証人尋問が予定されていた元局長は7月、県内の親族宅で亡くなっているのが見つかった。自殺とみられている。

 県議会は9月定例会で、斎藤氏が県政を混乱させたとして、全会一致で不信任決議を可決。斎藤氏は自動失職し、出直し選挙になった。

 斎藤氏は県議会との今後の関係について「応援してくれる県議のみなさんもいる。政策をどういうふうに進めていくかが大事。よりよい兵庫県をつくっていくという思いは共通。私自身も謙虚に丁寧にやっていきたい」と話した。

 選挙戦の終盤には、県内29市のうち22の市長が選挙戦を争った前兵庫県尼崎市長の稲村和美氏(52)への支持を表明した。

 斎藤氏は首長との関係性についても触れ、「これまでも信頼関係を構築しながらやらせていただいた。今回はそれぞれの立場があってのことだと思うので、オール兵庫でワンチームで知事と市長、町長がやっていきたい」と語った。【古川幸奈、高木香奈】

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