■「100:0でどちらかが正義、どちらかが悪というように」

前知事の失職に伴う兵庫県知事選の投開票が17日に行われ、前職の斎藤元彦さんが当選を確実にしました。

敗戦が確実となった稲村和美さんは、関西テレビの取材に応じ、「斎藤陣営が訴えていたストーリーと現実に少しズレがあるのでは。どちらかが正義でどちらかが悪というようになってしまった」と今回の選挙戦を振り返りました。

■「斎藤陣営が訴えていらっしゃったストーリーと現実に少しズレ」

(Q:今回の選挙で敗戦が確実となった。受け止めは)
【稲村和美さん】「多くの方々にご支援をいただいたことを心から感謝申し上げたいと思います。今回ちょっと異例の選挙になったなという感じはしているんですけれども、皆さんに冷静に、ここからまた学んでいくと言いますか、そういったことをお願いしていきたい、私もそうしていきたいと思ってます」

(Q:選挙戦を通じて一番感じたことは?)
【稲村和美さん】「今回、斎藤陣営が訴えていたストーリーと現実に少しズレがあるのではないかなという思いはあるんです。100:0で、どちらかが正義でどちらかが悪というようなそういった感じを受けましたので、県政が正確な情報と建設的な議論で進んでいくことを望みたいと思っています」

■『何を信じるか』という選挙になってしまったと稲村さん

(Q:思っているメッセージがうまく伝わらなかった原因や戦略に何か思い当たることはあるか?)
【稲村和美さん】「やはり、『何を信じるか』という選挙戦になってしまったのではないか、というのが私の個人的な感想です」

(Q:選挙戦では誹謗中傷もあった。それを消す、訴えるところに時間が取られ、本意ではなかったという思いはあるか?)
【稲村和美さん】「そうですね。主にネットの中でそういった言説が拡散される中で、情報量の違いであったり、今のメディアが一度何かを見ると、それと類似性のあるものがずっと表示されるというか、そういう情報を摂取しやすくなるというような仕組みもあるのかなと思う。そういった点は感じました。

応援で(SNSの)アカウントを作って、不正確だと思われる情報を打ち消そうというような取り組みはあったのですけれども、そういったところがパーっと集中的な通告なのか、そういったもので(SNSを)閉鎖されてしまったりとかですね。そういったことがある選挙になってしまいました」

■斎藤さんに比べて、具体的な政策がないという意見も多く聞かれた稲村さん

(Q:17日間の選挙戦、告示前には稲村さんも全く想像していないような状況になったのか?)
【稲村和美さん】「そうですね。やはり色々な検証がなされることを期待しています」

(Q:稲村さんの演説の中で『信頼と対話』と言っていましたが、具体的な政策が斎藤さんと比べてないというような意見も多く聞かれた。そういうところまで持っていける状況ではなかったのか?)
【稲村和美さん】「それは受け止めますが、(私)本人としてはそういうつもりはなかったと言いますか…」

(Q:前知事の批判や、県政の混乱とかの問題点という部分に少しボリュームを割いてしまったのでは?)
【稲村和美さん】「行政組織のガバナンスに端を発した今回の一連の問題だったと、私自身は受け止めていたというのはありますね」

■「SNSでの発信は積極的にしていないというつもりは全くない」

(Q:前半と後半の戦い方を見ていて、前半は対話の集会などを多く開かれていて、SNSの発信を他の候補と比べると積極的に行っていなかった印象がある。どういう戦い方をされてたのか?)
【稲村和美さん】「積極的にしてないつもりは全くなくて。ただ、私たちとしてはネットツールというのは、自分たちの政策であったり、活動であったり、そういったものを普通に発信していくものだと位置づけていたのは事実です。意図的にすごく組み立てていくというような使い方は想定していませんでした」

(Q:さまざまな政策も訴えていたが、演説の中ではそこまで(政策が)出てこなかったように思う。あえてそれは入れなかったのか、言いたくても 言えなかったのか。今考えてみると、もっと政策をちゃんと言っておけばよかったと思うか?)
【稲村和美さん】「いえいえ。そういう選挙じゃなかったという印象です。政策上の対立で非常に盛り上がった選挙だったとは感じていない」

【稲村和美さん】「例えば若い人を応援したいということに関しては、斎藤候補も私もそんなに違いはなくて、ちょっと違いがあるとしたら、県立大学の無償化をどうしていくか っていうことぐらいだったと思います」

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