兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事が19日、初登庁し、就任式で職員に対して「生まれ変わる。一からスタートしていくという気持ち」と抱負を述べました。

この知事の挨拶に対して、職員からは「『生まれ変わる』という言葉を信じる」という前向きな声が聞かれた一方で、「人って変わるとは思わない」「職員たちは『どうしたらいんだろう』というのが多い。正直、辞めたい。今日の就任式でも『生まれ変わる』と言っていたけど、そこは信頼できない」といった声が聞かれました。

■「これから生まれ変わる。私も人間ですからもう一度再スタート」

<就任挨拶>
【斎藤元彦知事】「自分自身もこれから生まれ変わる。一からスタートしていくという気持ち。何よりもやはり謙虚な気持ちを持ってやっていきたいという風に思います」

「私も人間ですから、これからもう一度再スタートさせて頂くという中で、やはりまだ至らないところも出てくると思います」

「こうした方がいいということもたくさんあるかもしれないんで、そういった時には、直接皆さんから、『斎藤知事はもう少しこうした方がいい』とかっていう声も、ぜひ届けていただきたい」

「耳の痛い話だからこそ、私は真摯に耳を傾けさせていただいて、自分自身に受け止めて、それをもっと良い県政をしていくために頑張っていくための糧とさせて頂くということが大事だと思いますので、どうぞよろしくお願いします」

■「県職員は日々頑張っていることを知ってほしい」

【斎藤元彦知事】「特にネット上でかなり厳しい県職員の皆さんに対する指摘もあったということです。ただ、多くの県民の皆さんに知っていただきたいのは、県職員の皆さんは本当に真面目に一生懸命働いて、県政を日々頑張ってやっていただいてます」

「50日間の不在の間も県勢を支えていただきました。兵庫県庁の職員の皆さんがあくまで 県民の皆さんのために頑張っていただいているということを、ぜひ多くの皆さんにも、どうかご理解をしていただきたいと思いますのでよろしくお願いします」

■「人って変わるとは思わないし、本心がどこなのかわからない」

一方、関西テレビの取材に対し、斎藤知事の返り咲きについて、兵庫県の職員は以下のように答えました。

【職員A】「謙虚にリスタートと言ってるが人って変わるとは思わないし、本心がどこなのかわからない」

「知事がっていうより側近がどうなるかが怖い。側近が返り咲いたらまた結局、知事は同じような行動するのでは」

「パワハラは実際にあったって聞いてるだけに、正義のように戻ってくるのが不思議。これも『噂やん』ってネットで批判されるんですかね。民意で選ばれたんで淡々と仕事やるのみ」

■「公務員なので誰がリーダーでも仕事するのみ」

【職員B】「斎藤さんに賛成反対あるだろうけど、我々は公務員なので誰がリーダーでも仕事するのみ。一緒に頑張るしかない。混乱を収めて欲しい。百条委員会とか第三者委員会で明らかになっていくのは見てきたい」

■「斎藤さんは、立花さんの演説を肯定も否定もしなかった。間違ってたら発信すべき」

【職員C】「選挙がおかしい。斎藤さんは、立花さんの演説を肯定も否定もしなかった。間違ってたら発信すべきだと思うけど、それもしなかった。元県民局長と同じ職員として、人権侵害が起きてたことは許せない」

「職員たちは『どうしたらいいんだろう』というのが多い。正直、辞めたい。今日の就任式でも『生まれ変わる』と言っていたけど、そこは信頼できない。口だけで言っても職員は誰も信用しない」

■「政策それ自体がダメだから職員から批判が集まったのではない。限られたメンバーで調整せず進めたから混乱した」

【職員C】「職員が斎藤さんが生まれ変わったかどうかを判断するのは、最側近をどのように処遇するのか、1人空いている副知事にどんな人を就任させるのか」

「予算査定の議論を職員を巻き込んでするか。県立大無償化、県庁舎建て替え、それ自体がダメだから職員や県議の批判が集まったのではない。一部の限られたメンバーで、思いつきのような政策を、十分な議論も経ないまま決定しようとしたプロセスが県庁内の混乱の原因となった」

「形だけの対話ならいらない。県庁舎を500億円にするとか、演説で言うてたけどそれもおかしい。どんな機能があって、耐震性でという話があり、そこから数字はでてくるもの。数字とか形ありきで、議論せずそれに向かうから職員は離れていった」

「これとは別に、当選したあとも百条委員会での追及は続けてほしい。これで、疑惑がなしになるなんておかしい」

■「デマや真偽不明の情報が飛びかいました。またSNSなどで職員が知事をいじめていると書かれ、辞める職員も出てくると思います」

【職員D】「斎藤さんが戻ってくるとは、県職員誰も考えてなかったと思うので、どう接していったら良いのか、多くの県職員が不安だと思います」

「今回の選挙は、デマや真偽不明の情報が飛びかいました。また、SNSなどで職員が知事をいじめていると書かれ、動揺などにより、辞める職員も出てくると思います」

「ただ、選挙で多くの人の信を得たのは事実です。割り切って県民の為に仕事を行っていく」

【職員E】「民間でいう『社長』が不在だったわけだから、誰であろうと正常に戻ったのは良かった。生まれ変わるという言葉を信じるしかない」

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