兵庫県知事選で再選された斎藤元彦氏(47)が19日、知事に就任し2期目のスタートを切った。県庁で就任の記者会見に臨み、「謙虚な心を抱いて一からスタートだ。丁寧な対話を通じて仕事をしていきたい」と述べた。一方、選挙期間中にSNS(ネット交流サービス)上で誹謗(ひぼう)中傷などが飛び交ったことを踏まえ、こうした事態を抑止する条例制定に前向きな姿勢を示した。
会見では、自身のパワーハラスメントなどの疑惑が文書で告発された問題に触れ「大きなご心配、県政に対する不安を与えたことを改めておわびします」と陳謝。「仕事は一人でできるものではなく、周りの皆さんのサポートがあってできる。県職員や県議会、県民への感謝の思いを抱きながらやっていく」と語った。
選挙戦ではSNSで、特定の候補者や一連の問題を追及してきた県議に対する中傷や根拠不明の情報が飛び交った。斎藤氏は「SNSでいろいろな情報が出たことが報道などで分析されている。心ない中傷は県民を傷つけることになり、控えていくことが大事だ」と述べ、中傷抑止の条例制定を検討する考えを明らかにした。斎藤氏は2023年10月、SNS上の中傷や誤情報の拡散を防ぐ条例の制定を表明。啓発や被害者の支援・相談体制整備を盛り込むとしていた。
一方、文書告発問題を究明する県議会調査特別委員会(百条委)から、25日の証人尋問への出頭を求められていることについては「公務のため出席が難しい。別の機会で審議にはしっかりと応じていく」と述べた。25日は東京である全国知事会に出席する。県議会事務局によると、百条委の欠席は認められる見通し。
斎藤氏は19日午前、県庁で当選証書を受け取った。就任式では、職員らを前に「感謝の気持ち、謙虚な気持ちを心に刻んで再スタートしたい」とあいさつ。県幹部との政策会議に出席し、来年度の予算編成に向けて意欲を示した。【大野航太郎、面川美栄】
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