石破茂首相は19日(日本時間20日)、訪問先のブラジル・リオデジャネイロで記者会見した。政党から政治家個人に支出され、使途が公開されてこなかった政策活動費に関し「廃止を含めた議論を自民党に指示している。国民の信頼確保に資するよう、早急に結論を得ていきたい」と述べた。
政治資金をチェックするために設置予定の第三者機関については「プライバシーや秘密保護のために公開困難な支出があった場合、その妥当性を中立的な立場から厳格に判断することが求められる」とし、「果たすべき役割や持つべき権限について議論を進めていきたい」と述べた。
国民民主党は年収103万円を超えると所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の引き上げを求めている。首相は「与党として真摯に検討する」と表明。「労働供給や税収にいかなる影響を与えるかなどさまざまな指摘がある」としながらも、与党と国民民主の政調会長、税調会長間で「丁寧に協議を進めたい」と語った。
首相は、今回の外遊の帰路にトランプ米次期大統領との会談を目指したが実現しなかった。「米国第一主義」を掲げるトランプ氏との向き合い方については「緊密に意思疎通をしていきたい。対峙という考え方は取らない。共に協力していくことが日本や米国の国益にもなり、地域の平和と安定にも貢献することをよく説明し、理解をしてもらうことを引き続き努力していきたい」と述べた。「日米韓、日米豪印、日米比といった同志国間の連携を相乗的に深めていきたい」とも述べ、韓国やインドなどの同志国との連携を深める考えも示した。
訪問先のペルーで行った中国の習近平国家主席との会談については「かみ合った議論ができた。今後首脳間を含むあらゆるレベルで頻繁に意思疎通・往来を図る。課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくために共に取り組む」と語った。
首相は日本時間20日にリオデジャネイロを政府専用機で出発し、帰国の途に就いた。21日午前に帰国する。【リオデジャネイロ村尾哲】
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