鹿児島県出水市の養鶏場で死んだニワトリから、毒性の強い高病原性が疑われる鳥インフルエンザウイルスが確認され、県は飼育されている約12万羽のニワトリの殺処分を行っています。

養鶏場での鳥インフルエンザの発生は今シーズン初めてです。

牧瀬大輔記者
「防護服を着た県の職員がこれから殺処分へと向かいます」

県によりますと、19日午前、出水市高尾野町の採卵用の養鶏場で複数のニワトリが死んでいるのが確認され、遺伝子検査の結果、高病原性が疑われるH5亜型のウイルスが確認されたということです。

今シーズン、県内の養鶏場で鳥インフルエンザ発生したのは初めてで、県は午前7時からこの農場で飼育される約12万羽のニワトリの殺処分を行っています。

また、発生した農場から半径10キロ圏内でニワトリや卵などの移動を制限しているほか、消毒ポイントを6カ所設置するなど、防疫措置を実施しています。

半径10キロ圏内には、89農場、約501万羽のニワトリが飼育されていますが、今のところ異常はみられないということです。

また、塩田知事は滝波宏文農林水産副大臣とウェブ会議を行いました。

鹿児島県・塩田知事
「今回の件で何としても封じ込めたい。発生要因の究明と風評被害対策に協力をお願いしたい」

滝波副大臣は20日、専門家を含めた5人の疫学調査チームを現地に派遣したことを説明し、ウイルスの侵入経路や農場内の衛生管理の状況などについて調べることにしています。

また、ウイルスのまん延を防ぐために防疫措置について支援する考えを示しました。

 今シーズン、県内初の発生で国内では10例目ということになります。
全国の状況を見てみると、今シーズン1例目は10月17日の北海道で、過去最も早く確認されました。

その後、この1カ月間で発生順に千葉、新潟、島根、香川、宮城、岐阜で確認され、20日、鹿児島で10例目となりました。

全国的に猛威を振るい、約1770万羽が殺処分された2022年も、11月の段階から感染が拡大しました。ウイルスは日本に渡り鳥としてやってくる野鳥が持ち込んでくると考えられています。

ウイルス学が専門の鹿児島大学の小澤真教授によりますと「鹿児島でもすでに今シーズンは例年に比べ野鳥の間の感染の規模が大きい」としています。

また感染が早く始まった分、感染が大きく広がることも考えられるとして「シーズンは冬の終わりまで続くので警戒を怠ってはいけない」と話しています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。