石破茂首相は21日、南米のペルー、ブラジル訪問を終え、政府専用機で羽田空港に帰国する。ペルーではアジア太平洋経済協力会議(APEC)、ブラジルでは主要20カ国・地域(G20)の首脳会議に出席。中国の習近平国家主席や日米韓3カ国首脳による会談、英国のスターマー首相らとの個別会談にも臨んだ。帰国後、28日召集の臨時国会に向けて論戦準備に入る。
29日に首相は所信表明演説を行い、12月2~4日に衆参両院本会議で各党代表質問を実施する見通し。自民、公明両党は衆院で少数与党となっており、政府の経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算案の年内成立を目指す。
首相は習氏と初会談し、日中の共通利益を拡大する「戦略的互恵関係」の包括的な推進を確認。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国が全面停止してきた日本産水産物の輸入を再開するとの合意の着実な履行を申し合わせた。
バイデン米大統領、尹錫悦韓国大統領との首脳会談では、安全保障分野などでの協力を調整する事務局組織の設置で合意。日英首脳会談では外務・経済担当閣僚による協議枠組み「経済版2プラス2」の新設を決めた。
南米からの帰国途中に首相はトランプ次期米大統領との会談を模索していたが、トランプ氏側から法律上の制約からいずれの国とも会談しないとの説明を受け見送った。(共同)
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