自民党は21日、党本部で政治改革本部（渡海紀三朗本部長）の総会を開いて政治改革案を決めた。政党が議員個人に渡す政策活動費を廃止する方針を盛り込んだ。政治資金をチェックする第三者機関は「国会への設置を基本」とする考えを示した。
外国人による政治資金パーティー券の購入を禁じる。政治資金規正法違反などで起訴された国会議員分の政党交付金の支給を停止する制度も設ける。いずれも政策面での協力を狙う国民民主党が主張してきた内容を取り込んで足並みをそろえる。
石破茂首相（党総裁）も出席し「衆院選で国民から多くの批判を受けた。政治資金の問題はわが党が率先して答えを出したい」と述べた。28日召集の臨時国会で規正法を再改正するよう求めた。自民党は取りまとめを踏まえ、野党との協議を始める。
政策活動費は使途を公開する義務がなく、野党は「裏金」の温床と批判してきた。自民党は政治資金収支報告書の不記載問題で生じた政治不信の払拭をめざす。
外交機密や企業の営業秘密に関わるため非公開とする一部の支出については、新たに設置する第三者機関が不正がないかを監査する仕組みとする。
第三者機関を国会に設置すれば、政治活動の独立性を維持しながら立法府が責任を持って資金の流れをチェックできるようになるとみる。行政側に置く選択肢も残す。
個人献金を促す税優遇の拡充にも取り組む。自民党の収入に占める企業・団体献金の比率を下げる姿勢を打ち出す。企業献金の禁止を求める野党からの批判をかわす思惑がある。
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