◆自民3億3804万円、公明2216万円
過去5年分の定期公表時の資料によると、企業・団体献金の総額に占める自民の割合が最も高かったのは20年の95.8％。献金額が最も多かったのは衆院選や都議選のあった21年で、自民は5億6223万円を集めた。 統一地方選などのあった今回公表の23年分を政党別にみると、自民が3億3804万円で総額の93.5％を占めた。次いで公明党2216万円、国民民主党129万円、立憲民主党2万円。共産党と日本維新の会、参政党、れいわ新選組、社民党はゼロだった。 自民の寄付収入の総額は、個人や政治団体からの寄付を合わせて13億1551万円。うち企業・団体献金は25％超だった。これとは別に政治資金パーティーなどによる事業収入も3億3288万円に上った。 ◆「廃止論」には消極姿勢崩さず
企業・団体献金は、1988年に発覚したリクルート事件などでの政治不信を踏まえ、94年の「平成の政治改革」で、国民の税金を原資とする政党交付金を導入する代わりに、政治家個人に送ることが禁じられた。政党向けの禁止も検討されたが、30年たっても実現していない。 自民派閥の裏金事件を受け、国会では政治資金規正法の再改正を巡り、野党が企業・団体献金の廃止を求めているが、今回も自民は消極的な姿勢を崩していない。（押川恵理子） 企業・団体献金 政治団体を除く企業や労働組合などの団体からの政治献金。政治家個人や政治家の資金管理団体への献金は禁止されているが、政党や政治家が代表を務める党支部は受け取ることができる。支部や資金管理団体などは個人や政治団体の献金を受けたり、政治資金パーティーを開催したりすることもでき、企業・団体献金も含めてそれらの収入が政治家の資金源になっている。
◇◆デジタル、医療…「業界」から
10月2日、デジタル相の就任会見でマイナンバーカードについて話す平将明氏（高田みのり撮影）
東京都選挙管理委員会が公表した2023年分の政治資金収支報告書で、企業・団体献金が、自民党議員の収入の大きな柱となっていた。長年にわたって政治腐敗の温床と指摘されながらも、自民の反対で存続してきた企業・団体献金。自民派閥を巡る裏金事件を受けた政治改革の一環として、禁止が議論されている。 都選管が公表した報告書のうち、自民の衆院小選挙区支部長がいる都内29選挙区支部の報告書を、本紙が集計した。政治資金規正法で企業・団体献金が禁止されている政治家の資金管理団体は、集計から外した。 最も企業・団体献金が多かったのは、...残り 425/1580 文字
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