今年1月に見つかった「旧長崎医科大学」の通用門の門柱などについて、被爆者や専門家などでつくる長崎市の審議会は被爆建造物として保存すべきとの意見をまとめました。

「旧長崎医科大学」の通用門の門柱と基礎部分は、今年1月、長崎大学の坂本キャンパス内で見つかりました。

長崎市の原子爆弾被災資料審議会は22日の会合で、門柱が被爆の影響で折れたと考えられることなどから「被爆の実相を継承することに資する」として「被爆建造物として保存すべき」との意見をまとめ、市側に報告しました。

大学側も現地で保存する方向で検討しているということです。

一方、審議会では一部の委員が「幸町の長崎スタジアムシティの工事現場で2022年『福岡俘虜収容所第14分所』の基礎の一部が見つかったのにも関わらず、市が審議会に報告せず保存しないと判断したことは、おかしい」と訴えました。

平野伸人 委員
「長崎市の一部局だけで結論を出すのではなく、少なくとも審議会も含めた大きな市民的な議論が必要だったと思う」

長崎市原爆被爆対策部 阿波村功一 部長
「強い衝撃を受けたことで生じるひび割れなど、被爆の痕跡が確認できなかった」「被爆の実相を伝える状況であるとは認められなかったから保存の対象とはしていない」

市側は「適切に処理した」としています。

平野伸人委員は市が市民総合プールの移転の方針を示している松山町の市営陸上競技場についても、「遺構や遺骨が眠っている可能性がある」として調査の必要性を訴えています。

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