政府は22日夕方、電気・ガス料金の補助再開など事業規模39兆円の経済対策を閣議決定します。
石破首相は22日朝の政府・与党の会合で、経済対策について、「日本・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心安全を柱とする」と説明しました。
対策には低所得世帯への3万円の給付や電気・ガス料金の補助を2025年1月から3カ月間再開することなどが盛り込まれています。
事業規模は39兆円で、裏付けとなる補正予算案には13兆9000億円程度を計上します。
また、「103万円の壁」については、「来年度税制改正の中で議論し引き上げる」と明記されました。
政府は、このあとの臨時閣議で経済対策を正式決定します。
「103万円の壁」の具体的な議論が来週から本格化するということですが、焦点となる引き上げ幅、ズバリいつどんな形で決まるのか、フジテレビ・智田裕一解説副委員長と見ていきます。
まず来週の予定は、25日(月)に自民党の税調総会が始まっていくということで、そこからの一連の流れで減税や増税などを含めて、税に関してのことほぼ全てが決まってくると言っても過言ではありません。
中身でいうと、「インナー」という非公開のもの、それから公開される小委員会というものを繰り返していきながら決まっていきます。
非公開の「インナー」について詳しく見ていきます。
メンバーは、税制に強い閣僚経験者・重鎮議員など9人で構成されています。
これは非公式の幹部会合です。
利害関係のある関係者との調整も必要になってくるということで、政治主導で行っていくといいます。
方向性を決めていくため、事実上の決定権を持つ9人と言われています。
今回は元経済安保相で元財務官僚の小林鷹之議員や、元経産相で元財務副大臣の小渕優子議員といった人が名を連ねています。
青井実キャスター:
メンバーがどう選ばれるのか、どんな話をするか、どれだけ重要なのか知りたいのですが。
智田裕一解説副委員長:
インナーでその時の目玉になる税制を話していく。これまでですと、住宅ローン減税とか、自動車の税金とか、あとはサラリーマンの必要経費とか、生活に密接に関わるものが話し合われるということで、インナーで合意したのが、決定のたたき台になるということで非常に重要です。
メンバーは宮沢税調会長を中心に、税金に詳しい人を中心に選ばれることになっています。
インナーは非公開ということで、開催場所は、現在は主に自民党で行われているそうですが、以前は外で行われていて、場所や時間が取材記者も分からなかったそうです。
場所もいろいろあり、かつては記者にばれないように、東京都内の高級ホテルの一室であったり、国会図書館の一室といったことがあったそうです。
遠藤玲子キャスター:
智田さんは取材されたことは?
智田裕一解説副委員長:
部屋に近づくためにホテルの隅から隅まで上がっていったり、国会図書館の取材をするために入館証をわざわざ作ったりとかやりました。
あと大人数でやる会合もインナーのあとにあるのですが、その内容を聞くために壁に耳を3時間とかいうのもやりました。
青井実キャスター:
何でそこまで隠れなきゃいけないんですか?
智田裕一解説副委員長:
これは重要な事柄とはいえ、決定まで行っていない途中段階の話ですよね。しかも、国民生活に密接に関わるだけに、誰が何%がいいとか、いくらがいいというのが明るみになると、ちょっと意見が出にくくなるというところで。ただ議論のたたき台を少人数の密室で決めているのはちょっと問題だという指摘もあるということですね。
青井実キャスター:
中村さんはインナーについてはどう思いますか?
SPキャスター・中村竜太郎氏:
なぜ非公開でやるのか疑問があるのですが、より自由な意見が出やすいということを考えたら、そういうこともあるんだろうなと思いますし。ただ、どういうプロセスで決められているかについては、国民の1人としてはとても知りたい。ですから議事録とか、今直後に公開しなくてもいいですけど、何年後かには見られるような形で残してほしいなと思いますね。
青井実キャスター:
今までは与党が過半数を占めていたため、与党が決めたものが、そのまま国会に出て成立していた状況なわけですが、今回は違います。
元々のテーマに戻りますが、インナーなどの議論を経て、「103万円の壁」の引き上げの幅はいつ決まるのかですよね。
25日から自民党の税調総会か始まり、公明党と協議をしたうえで、税制改正大綱が例年だと12月中旬ぐらいに毎回行われるそうです。
2024年は国民民主党の主張を反映しなければいけないため、日程・決定過程がどうなるかというところです。
青井実キャスター:
智田さん中旬に決まるんでしょうか?
智田裕一解説副委員長:
宮沢税調会長はできるだけ早くと言っているので、国民民主党の主張を踏まえながら協議していくので時間がかかるかもしれないというところ。ただ、国会に法案を出さなきゃいけないので、遅くとも12月中には決めないといけないのですが調整は一筋縄ではいかないかもしれません。
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