17日、投開票が行われた兵庫県知事選で斎藤元彦前知事が出直し再選を果たした。しかし、兵庫県知事選に出馬を検討しつつも断念した元衆議院議員の宮崎謙介氏は「兵庫県行政には闇がある」と指摘する。その理由について解説した。
【映像】30秒でわかる斎藤知事問題の経緯まとめ
斎藤氏といえば「パワハラ・おねだり問題」をめぐり県議会・全会一致の不信任決議が可決し失職した。批判を浴びながらも蓋をあけてみると2位と14万票の差をつけ圧勝。ネットでは「批判的な報道に負けず、良く頑張った!」「ネットの力でオールドメディアを倒した」といった声があがっていた。NHK・稲葉延雄会長も「公共放送として果たすべき選挙報道の在り方を真剣に検討していく必要がある」と語っている。
選挙報道のあり方を問う議論が活発に行われている一方で、かき消されそうになっている「ある問題」がある。兵庫県知事選への立候補を検討し、最終的には断念をした宮崎氏が立候補の動機についてこう語っていた。
「コメンテーターをやると元兵庫県知事問題についてコメントをしないといけない。前知事擁護派の方々からものすごくバッシングされて『ちゃんと調べろよお前』とすごい言われて、なんだろうこの温度差と思って色々調べ始めた。関係者などに聞き取り調査をしたところ、あまり報道されていない闇みたいなのがあって…」(宮崎氏)
事の発端は、今年3月に県の元局長が作成した斎藤氏のパワハラなどを訴える「告発文」から始まっている。その文書には斎藤氏のパワハラや「おねだり気質」の実態のほか、プロ野球優勝パレードの開催費用をめぐり県が金融機関にわたす補助金を増やし、その分をパレード協賛金として県にキックバックさせたとされる疑惑などが明らかになっている。
これに斎藤氏は「事実無根の内容が多々含まれている」と誹謗中傷だと反論。優勝パレードの不正問題についても否定した。「うそ八百含めて、文書を作って流す行為は公務員として失格」とも発言している。
元局長は内部調査を経て停職3カ月の懲戒処分に。県議会は真相を探るため百条委員会を開き関係者らを証人尋問。斎藤氏は「不快な思いをさせた」ことについて謝罪したものの、パワハラは否定。「厳しくさせていただいたところもある。これは、より良い県政をしていきたいという思いだということは、ご理解いただきたい」とコメントした。その後、元局長が死亡していたことが明らかになった。
一方で、元局長をめぐっては県の内部調査で元局長のパソコンから告発内容とは関係のない私的な情報を持ち出した疑いが持たれている。元局長は、亡くなる直前にプライバシーの配慮を求めるよう訴えていた。9月には県議会で知事の不信任決議案が全会一致で可決。斎藤氏は失職したが、出直し選挙を制し、再び県政運営を始動。百条委員会も25日に予定されているが公務を理由に出席しないという。
この問題について宮崎氏は「今回、一番の問題はパワハラの有無よりもプロ野球優勝パレード不正疑惑の告発。知事はじめ、関係者は否定しているがこの問題に深い闇を感じる」と指摘する。
「パワハラ・おねだり」ばかりが報じられたが、信用金庫の補助金を増額しプロ野球優勝パレードの募金としてキックバックをしたとされる疑惑に「目を向けて欲しくない人たちがいたことが取材で明らかになった」とした。
具体的な「闇」について、「元局長が斎藤県政を告発し、斎藤氏らはこれを調査するように依頼した。県庁側が調査をして『元局長なのではないか』というところに行き着いた。そこで公用PCを押収したところ、クーデター計画やプライベート資料などあらゆる情報が出てきた。それを受けて、停職3ヶ月の懲戒処分が決まり、元局長も受け入れた。百条委員会が設置され、元局長はそこで証言する気満々だったそうだが、その最中で亡くなってしまった」としつつ「県議会の中にパレード募金キックバック問題に触れて欲しくなかった人がいる。この問題が刑事事件になったら困ると。県議会側が元局長に『百条委員会で証言するな』と言っていたのではないかなど、いろんな疑惑がある」と解説した。
この問題の黒幕については「斎藤氏は絡んでいないかもしれない。あくまでも“お神輿”と言ったら失礼だが。最終責任者であるため責任はあるが、知らない間に県庁や県議会が勝手に動いていた可能性がある」と推察した。
その上で「県議会は知事を監視する立場にある。ただ、県議会と県庁ががっちり繋がって県政を運営している場合があり、仲良くやっていたが、大きく亀裂が入っていった」としつつ「追い詰めたのはまだ誰かわからない。斎藤氏は否定し、県庁も否定している。県議会がまだ何も言っていない。百条委員会で事実が詳らかにされるのではないかと期待しているが、されなかった場合は、もう永遠に…」と懸念を示した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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