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 衆議院の補欠選挙で、3戦全敗となった自民党。これまで6月解散を狙っていたとされる岸田文雄総理大臣の戦略にも、大きな影響を及ぼしそうです。

■「眠れましたか?」への回答にあらわれた“明暗”

当選 立憲民主党 亀井亜紀子氏(58)
「(Q.眠れましたか?)意外と普通に眠れました」  唯一、与野党一騎打ちの構図となった「島根1区」。勝利から一夜明け、亀井氏は、次のように話します。 亀井氏 
「車の中からガッツポーズですとか、手を振って返してくださる方がたくさんいらっしゃって、本当に心からうれしく感謝しております」  一方、“保守王国“島根県で小選挙区制の導入後、初めて敗れた自民党の候補は、次のように話します。 落選 自民党 錦織功政氏(55) 
「(Q.眠れましたか?)そんな眠れませんよ。とても眠れません」
「今回、自民党の議席を島根1区で失ったことの責任を痛感しています」  今回の補選について岸田総理は、こう発言していました。 岸田総理
「私の政治に対する姿勢も、評価の対象として入っていると認識をしております」  自ら2度、選挙区に入って応援する力の入れようでした。 岸田総理
「この戦い、勝たせていただきたいと心から思っています。逆転の錦織!逆転の錦織!どうぞ皆さん、よろしくお願いを申し上げます」

 しかし、待っていたのは有権者の厳しい判断でした。

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■自民党の若手議員「混沌だよ、混沌」

■自民党の若手議員「混沌だよ、混沌」

 今回の選挙結果について、世論調査などで“ポスト岸田”への期待も高い石破元幹事長は、こう発言しました。 自民党 石破茂元幹事長
「(候補者の)知名度、統一教会、ハラスメント、キックバックですよね。四重苦みたいな話の中で一生懸命やったのだけど、やっぱりはね返せなかったということですよね。今まで自民党の支持層であった比較的高齢の方の反応が良くなかった」

 3つの補選すべてで敗れた自民党。党内からは、次のような声が聞こえてきました。

自民党 中堅議員
「結果を見て、岸田総理が選挙をやることは100%ないだろう。国会が終わって、総理が自ら身を引くんじゃないか」 自民党 中堅議員
「岸田さんのもとでは、なかなか勝ちにくいというのが、今回の結果で色濃くなったね」 自民党 若手議員
「『岸田さんじゃ選挙の顔にはならない』と、みんな思ってはいるけど、誰かが動くわけでもない。混沌(こんとん)だよ、混沌」

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■田崎史郎氏「会期末は緊迫した局面を迎えるだろう」

■田崎史郎氏「会期末は緊迫した局面を迎えるだろう」

 自民党内で批判の声があがる一方で、いわゆる「岸田おろし」には、つながっていないといいます。その背景について専門家は、次のように話します。 政治ジャーナリスト 田崎史郎氏
「2009年に自民党が政権を失った時、麻生政権でしたのですけども、“麻生おろし”が起きたがために、自民党はバラバラだと見られて、総選挙で惨敗するということがありました。党内で意見を言いすぎることが、選挙にはマイナスに働くということ」  選挙前から国会会期末に合わせた「6月解散」が取り沙汰されていましたが、実際、その可能性はあるのでしょうか? 田崎氏
「岸田さんのもとでの解散はやめてくれというのが、自民党内の大勢。(でも)岸田総理は何をやり出すか分からない。派閥の解消などで、そういうことがあったので警戒感もまだ消えていません。立憲民主党など野党が、通常国会の会期末に内閣不信任案を提出するのは確実だろうと思います。その時の政治状況で、岸田総理は解散を打つ可能性もゼロではないのです。だから、ここから(国会の)終盤、会期末は緊迫した局面を迎えるだろうと思います」

(「グッド!モーニング」2024年4月30日放送分より)

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