岸田文雄首相は1日午前、フランス、ブラジル、パラグアイの3カ国を訪問するため政府専用機で羽田空港を出発した。パリでは経済協力開発機構(OECD)の閣僚理事会で、人工知能(AI)などの国際ルールの協調を呼びかける。南米では「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国との連携強化を訴える。
日本はOECD閣僚理事会で議長国を務める。首相は2日に開会式での基調演説に臨む。
首相は出発に先立ち、羽田空港で記者団に「日本はルールに基づく国際経済秩序を構築し強化する取り組みを主導する」と語った。「生成AIをはじめとする国際的な課題の議論も推進し、OECDのインド太平洋地域へのアウトリーチの強化も進める」と強調した。
フランスのマクロン大統領、アタル首相とも会談する。首相は「2国間関係、国際的な課題について意見交換し、関係を強化したい」と述べた。
首相はフランス訪問後、2〜4日の日程で南米2カ国を訪れる。日本の首相がブラジルを訪れるのは2016年、パラグアイは18年に当時の安倍晋三首相が訪れて以来となる。首相は2国間関係と国際情勢をめぐる連携を強める狙いだ。首相は2カ国に、日本の経済界から50社、企業トップを含む170人が同行することを明らかにした。「現地政府、経済関係者との交流を深めたい」と語った。
3日にはブラジルの首都ブラジリアでルラ大統領と会談し、脱炭素分野で包括的な協力を打ち出す見通しだ。パラグアイのペニャ大統領とも会談する。首相は「経済、宇宙、情報通信、人的交流といった2国間関係とあわせて国際的な課題についても意見交換したい」と話した。現地時間の4日には中南米政策に関するスピーチを予定する。
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