記者会見する日米豪比の防衛相(2日、米ハワイのインド太平洋軍司令部)

【ホノルル=永富新之丞】日本、米国、オーストラリア、フィリピン4カ国の防衛相は2日(日本時間3日午前)、米ハワイ州のインド太平洋軍司令部で会談した。4カ国の共同訓練の拡充に意欲を示した。

オースティン米国防長官は会談後の共同記者会見で「インド太平洋を安定的で安全なものにするための新たな取り組みについて話し合った」と語った。「4カ国間でより多くの海上演習や活動を実施したい」と説明した。

海上自衛隊と米豪比の海軍は4月に南シナ海で初の本格的な共同訓練を開催した。

4カ国の防衛相会談は2023年にシンガポールで開いて以来2回目。東・南シナ海への海洋進出を強める中国を念頭に4カ国の安全保障協力を強化する。

日米、日米豪の防衛相会談も開いた。日米間では自衛隊と在日米軍の部隊を連携しやすくする指揮統制の見直しについて議論した。

木原稔防衛相は「平和と安定を維持するため同盟国・同志国との協力を強めることが喫緊の課題だ」と言明した。

フィリピンは南シナ海で中国と対峙する。4月末にはスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺の海域で中国海警局の船がフィリピン船舶に放水銃を使い、船のはしごが損傷するなどの被害が出た。

フィリピンのテオドロ国防相は同国軍の安全を守るため「自分たちの権利を主張する必要がある」と強調した。米国や同志国と協力して地域全体の抑止力を高めると訴えた。

豪州のマールズ副首相兼国防相は「日本とフィリピンの関係はこれまでになく強固になっている。会談は日米豪比の4カ国が法に基づく秩序を守るために緊密に連携しているというメッセージを送るものだ」と述べた。

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