離婚後も父と母の両方が子どもの親権を持つことを認める「共同親権」の導入を柱とした民法の改正案が、12日、衆議院の法務委員会で自民、公明などの賛成で可決された。

改正案では、離婚時には父母が協議して共同親権か単独親権かを選び、協議で折り合えない場合は家庭裁判所が判断し、ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の恐れがあれば、どちらかの単独親権と定めるとしている。

審議の過程で立憲民主党などは、政府案について、DVなどを背景に父母が対等な立場で話し合えない恐れがある上、家裁の体制が不十分なためDVや虐待を見逃す恐れがあるなどと指摘し、共同親権に父母の合意を条件とするなどの修正を求めていた。

与党側はこの修正には応じず協議は難航したが、最終的に自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党で、親権のあり方を決める際に父母の力関係の差で不適切な合意とならないよう「真意を確認する措置を検討する」などと付則に加える修正を行った。

付則には、国が改正内容の周知に取り組むことや、施行5年後にさらなる見直しを検討する規定も盛り込んだ。

法案は週明けにも衆院本会議で可決されて参院に送られ、この国会で成立する見通しとなった。

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