鹿児島県南さつま市の学校に、子どもたちのために作られた「秘密基地」が登場し、サプライズでお披露目されました。始まりは児童から市長にあてた1通の手紙でした。

南さつま市金峰町にある義務教育学校、金峰学園。

ゴールデンウィークが終わり、久しぶりに顔をそろえた児童たちの前に、何やらビニールシートで覆われた、謎の物体がおかれていました。

「3、2、1オープン!」

「おー」「やばー」「すごい」

実はこれ、サプライズで保護者がつくった秘密基地なんです。

この秘密基地の制作は2024年2月、当時3年生だった金峰学園の有馬蓮くんが南さつま市の本坊輝雄市長へあてた、1通の手紙から始まります。

「金ぽう学えんは、中はきれいだけど、校庭はしばふも木も遊具もひみつきちもありません。せっかく広い広い校庭があるから、子どもをよろこばせるために使った方がいいと思います。おねがいします」

手紙を読んだ市長が建築業や造園業に携わる保護者に相談すると、保護者たちは児童のために無償で秘密基地を作ることを決めました。

一から構想を固めて、まず、土を盛り土管の役割を果たすパイプを埋め込みます。

そして、芝を張って柵を作り、保護者たちはゴールデンウィーク期間の丸2日間かけて、こっそり秘密基地を完成させました。

お披露目が終わり、児童たちは一斉に秘密基地にかけこみます。

滑り台を降りて決めポーズをしたり、頂上でダンスをしたりと、子どもたちは大はしゃぎ。

サプライズは大成功だったようです。

児童「たのしかった」
Q「秘密基地に隠したいものはある?」
「0点のテスト」

秘密基地の発起人、有馬蓮くんも大満足の様子です。

秘密基地の発起人・有馬蓮くん(4年)
「みんながよろこんでくれて、僕もとてもよかった。大切に使っていきたい」

制作に携わった保護者
「子どもたちがまず喜んでくれるかちょっと不安だったけど、楽しく遊んでくれて嬉しい」
「自分たちが遊んでたことを思い出しながら、子どもたちを見てて、山とか隠れるところが必要だと思った」

ひとりの児童の小さな声が、大人たちを巻き込む一大プロジェクトとなり、たくさんの笑顔を生み出しました。

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