自民党は7日、静岡県知事選(9日告示、26日投開票)に無所属で出馬する元副知事の大村慎一氏を党本部として推薦する方針を固めた。党幹部が明らかにした。立憲民主、国民民主両党は無所属の元浜松市長鈴木康友氏の推薦を決めており、与野党対決の構図が明確になった。

自民党本部(資料写真)

 派閥の裏金事件で内閣や党の支持率が低迷する中、自民は4月28日投開票の衆院の3補欠選挙で不戦敗を含めて全敗。静岡県知事選でも態度を鮮明にした上で敗れた場合、岸田文雄首相の政権運営がさらに不安定になる可能性がある。  党本部には推薦を出すことへの慎重論もあったが、地元の静岡県連の意向を重視した。県連は4月に大村氏の推薦を決め、党本部に推薦を上申していた。党幹部は本紙の取材に「県連が推薦を出しているのに、党本部が出さないのは良くない」と述べた。  党内には「このタイミングで与野党対決の構図は厳しい」(中堅)との見方が根強い。県連幹部は党本部推薦を受けることになっても「知事選は補選と違って国政選挙ではなく、与野党対決にはならない」と予防線を張っている。公明党は自主投票を決めている。  知事選は川勝平太知事の辞職に伴って実施される。大村氏、鈴木氏のほか、共産党県委員長の森大介氏、政治団体代表の横山正文氏も立候補する。また、会社社長の無所属浜中都己氏、自営業の無所属村上猛氏が7日、出馬を表明した。(井上峻輔) 

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