岐阜県美濃加茂市議会の永田徳男(のりお)副議長(71)が4月、姉妹都市の豪州・ダボ市の市長の娘にセクハラ行為をしていた問題で、藤井浩人市長が8日、市役所内で報道陣の取材に応じた。永田氏の行為が不適切だったとして、ダボ市長に謝罪メールを送った藤井市長は「このままでは『日本はセクハラを放置する』と誤解を招きかねないと焦った」と当時の心境を語った。
永田氏は4月3日、ダボ市のマシュー・ディカーソン市長らを美濃加茂市に招いた歓迎会の2次会で、酒に酔ってディカーソン市長の20代の娘に近づき、カラオケマイクを娘の下腹部に近づけた。同席した別の市議が当時の様子を動画撮影しており、藤井市長も同22日、動画を確認した。関係者によると、動画では、永田氏の行為に対し、ディカーソン市長の娘がけげんな表情を見せる瞬間も写っていたという。
藤井市長によると、24日、ディカーソン市長宛てに「心から謝罪します」などとするおわびの文書をメールで送付。その後、ディカーソン市長との私的なSNS(ネット交流サービス)でのやり取りで「(永田氏のセクハラ行為で)両市の関係が崩れることはない」とのメッセージが藤井市長に届いたという。ただ、8日時点でダボ市から美濃加茂市に謝罪文への公式な返事は届いていない。
セクハラ・パワハラ問題へのスタンスについて問われた藤井市長は「そういったことを一切容認しない市政運営に努めている」と強調した。
永田氏から4月22日以降、複数回にわたり「ご迷惑をかけて申し訳ない」などと謝罪を受けたことを明かした藤井市長は「今後は永田氏個人が対応すること。私から(出処進退などについて)何か求めることはない」と語った。
今回の問題を受け、市議会は9日、全員協議会を開いてこれまでの経緯を確認し、今後の対応などを協議する。【太田圭介】
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