水俣病被害者団体との懇談の席で、環境省の職員が団体側のマイクの音を切って発言を制止した問題について、9日の参院環境委員会で、「薬害エイズ事件」の原告だった立憲民主党の川田龍平議員が、水俣病の解決に向けた政府の見解を質した。
川田氏は、8日に被害者団体と電話で話したとした上で、伊藤環境大臣に対し、「水俣病患者の怒りの原点はどこにあると思うか」と問いただした。
伊藤環境大臣は、「水俣病が公式認定されてから68年経つが、いまだに水俣病の問題が全面的には解決していない。患者は長い年月、苦しみ、その気持ちが怒りの原点にあるだろう」と述べた。
川田氏は、「私自身が薬害エイズという、製薬企業と国による薬害被害の当事者として国会議員になり、最初に取り組んだのが、水俣病問題だ」と強調。
そして、「水俣病問題と薬害公害問題は共通して、一時的には企業の問題だが、企業の責任を見逃して被害を拡大させた責任が国にある」と指摘し、国が認定していていない患者も含む全員の救済を求めた。
これに対し伊藤環境大臣は、「私の能力の限りにおいて、全力で解決のために具体的に動いていきたい」などと述べた。
“マイク切り”の問題を巡っては、環境委員会の冒頭、伊藤環境大臣が陳謝した上で、「私の責任で懇談の場を設ける」と述べ、団体側と改めて懇談する考えを表明。
一方、自民党の議員が「明らかに不適切な対応であり、伊藤環境相の謝罪は当然のことだ」と述べるなど、与野党から苦言や批判があがった。
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