経済安全保障上の機密情報を扱う民間事業者らを身辺調査するセキュリティー・クリアランス(適性評価)制度の導入を柱とした「重要経済安保情報保護法案」は10日午前の参院本会議で、与党と立憲民主党、日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。 重要経済安保情報保護法では、同法が素地とする特定秘密保護法と同様、適性評価で認定された人だけが機密情報を取り扱えるようになる。その際に、家族の国籍や飲酒の節度、経済状況といった身辺調査が行われるが、政府がどの程度調べるかは今後定める運用基準で決めることになっており、プライバシー侵害の懸念は払拭されていない。 高市早苗経済安保担当相は参院の審議で、性的関係を利用して情報漏えいを働きかける「ハニートラップ」の疑いがかかる場合には、性的なことがらも身辺調査の対象になると説明している。

国会議事堂の参院側=東京都千代田区で

◆立憲民主は賛成

立民は前身の民主党時代の2013年、特定秘密保護法に反対した。だが今回は衆院の審議で、政府の情報指定を国会が監視できるように法案修正をした上で賛成。参院でも賛成した。

重要経済安保情報保護法 防衛や外交など4分野の情報保全を目的とした特定秘密保護法の経済安保版。半導体など重要物資の供給網や重要インフラに関して国が保有する情報のうち、流出すると安全保障に支障を与える恐れがあるものを「重要経済安保情報」に指定。重要情報を扱う人の身辺調査をするセキュリティー・クリアランス(適性評価)制度を導入する。情報漏えいには5年以下の拘禁刑などを科す。



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