薩摩半島の西方沖で検討が進められている洋上風力発電について、鹿児島県は10日、再エネ海域利用法に基づく国への情報提供を見送ったと発表しました。
理由について県は「反対する意見を踏まえ判断した」としています。

国は洋上風力発電の普及を目指して「再エネ海域利用法」を施行し、各都道府県から候補となる海域の「情報提供」を求めています。

県内を巡っては、薩摩半島西方沖で3つの民間業者が構想を公表していますが、実現には国の手続きが必要で、この「情報提供」は手続きの入り口という位置づけです。

洋上風力発電の実現を目指す、鹿児島県いちき串木野市は、漁業関係者などと意見を交わし、市の沖合約5キロ圏内を建設可能エリアとして示し、県に情報提供するよう求めていました。

国への情報提供の締め切りは10日まででしたが、県は情報提供を見送ったということです。

理由については「参加団体から反対の意見もあり、引き続き理解を深める必要があると判断した」としています。

経済産業省によりますと、再エネ海域利用法に基づいた、洋上風力発電施設の運転開始事例は、国内にはまだないということです。

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