自民党の派閥の裏金問題をきっかけに政治改革を求める世論が高まり、与野党は週明けの13日以降に国会で本格的な議論に入ります。問題の根源のほか「連座制」や「政策活動費」などキーワードの理解にも役立つ企画「政治資金問題の視座」のまとめ読みです。

(1)見逃された「派閥とカネ」 政党や後援会より低い透明性


自民党の派閥を舞台にした裏金疑惑は「政治とカネ」の問題の根深さを白日の下にさらした。政治資金規正法の制定から75年を経ても不祥事が繰り返し起きる。民主主義の根幹である政治への信頼を回復するために必要な視座を追った。…記事を読む

(2)日本の政治資金、見張り役の第三者欠如 米国は独立組織


日本は政治資金を見張る独立性がある公的監視機関がない。米国などで独立した委員会や機関が強い権限をもってチェックする仕組みがあるのと対照的だ。客観的な目で資金の流れを把握する仕組みを欠いては「政治とカネ」を巡る疑念の払拭は難しい。…記事を読む

(3)政治資金、非課税の「特権」認識薄く 世襲優遇に直結


政治団体が寄付やパーティーで集めた政治資金は原則として課税されない。政治団体の代表者の名義を代えたり、政治団体間で資金を移したりすれば相続税や贈与税を払わず引き継ぐことができる。個人にはない「特権」という認識は薄く、事実上の「課税回避」との指摘がある。…記事を読む

(4)議員立件にハードル 「トカゲの尻尾切り」いつまで


自民党安倍派による政治資金規正法違反事件は派閥幹部の立件へ発展するかに関心が集まった。過去には会計責任者や秘書だけが処罰されるケースが多く「トカゲの尻尾切り」とやゆされてきた。連座制の導入など同法を改正し政治家の責任を問いやすくすることが再発防止に欠かせない。…記事を読む

(5)「ガラパゴス」の収支報告 なお紙中心、民間・海外と乖離


自民党派閥の政治資金問題は政界のデジタル対応の遅れも浮き彫りにした。政治資金収支報告書の提出は今なお9割超が紙によるものだ。民間や海外で進むオンライン化から外れる「ガラパゴス」的な風潮が政治資金の透明性を阻害し「裏金」の温床となった。…記事を読む

(6)ブラックボックスの「政策活動費」 22年は自民14億円超


政党が所属国会議員に支出する政治資金の一つに政策活動費がある。受け取った議員は使途を公開しないためブラックボックスになっていると指摘されてきた。公的な性格を帯びる政治資金の透明化へ政策活動費の扱いも議論の俎上(そじょう)にあがってきた。…記事を読む

(7)政党法でガバナンス強化、野党が提唱 独韓に先行事例


自民党派閥の政治資金問題は政党のガバナンスが不十分であることを浮き彫りにした。海外には政党に関する基本ルールを「政党法」として定める国がある。野党は日本も監査機関の設置や党首の選定方法を法律で明文化すべきだと提起する。…記事を読む

(8)政党支部、企業献金の抜け穴に 米欧は量的制限や罰則


政治資金規正法は相次ぐ改正で企業・団体による政治家への献金について制限を強めてきた。カネのかからない政治をめざす動きの一環だ。それでも献金を受ける「抜け穴」が残る。政治家が代表を務める政党支部がそれにあたる。…記事を読む

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