自民党派閥の裏金事件を巡り、衆院政治倫理審査会は14日、政治資金収支報告書に不記載があった安倍、二階両派の議員44人に対する審査を行うことを自民を含む全会一致で議決した。弁明するかどうか、20日正午を期限として回答するよう田中和徳会長名で対象者に要請した。議決に強制力はなく、出席に慎重な声が強い。

対象議員の一人、安倍派の衛藤征士郎元衆院副議長は記者団に「よく連携しながら考えたい。私だけが手を挙げることはない」と強調。「党の処分ももう終わっている」として、「けじめ」はついているとの認識を示した。

44人には安倍派の萩生田光一前政調会長や二階派の二階俊博元幹事長も含まれる。両派の幹部だった塩谷立・元総務会長(自民離党)や、武田良太元総務相ら6人は既に政倫審に出席しており、今回の対象には入っていない。

審査は立憲民主党など野党が衆院政倫審規程に基づいて申し立てた。野党筆頭幹事の寺田学氏(立民)は記者団に「国民の声に44人全員が向き合って弁明し、説明責任を果たすことを強く望みたい」と語った。

野党は14日、参院国対委員長会談を開き、参院政倫審で弁明していない自民議員ら29人について、参院政倫審規程に基づいて出席要求を議決すべきだとの認識で一致。自民側に伝えた。衆参政倫審を通じて事件の真相解明を迫り、終盤国会に向けて政権への攻勢を強める狙いだ。

自民党派閥の裏金事件に関して44議員の審査実施を議決した衆院政治倫理審査会=14日、国会内(代表撮影)

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