岸田文雄首相は15日の衆院法務委員会で、永住者が税などの納付を故意に怠った場合に永住許可を取り消せる新たな措置に関し「定着性に配慮して慎重に検討する」と述べた。「(対象は)一部の悪質な場合」に限られるとも語った。
政府は技能実習制度に代わる育成就労の新設にあわせて、税や社会保険料の納付を故意に怠った場合は永住許可を取り消すことができる規定の導入を予定する。首相は「適正に公的義務を履行する大多数の永住者や地域住民との間で不公平感を助長するなどの恐れがある」と説明した。
同委員会は育成就労を新設する技能実習法や出入国管理法などの改正を議論している。育成就労は将来的に在留資格の更新に制限がない特定技能「2号」になることも可能だ。2号は家族を帯同でき永住権を申請できる。
出入国在留管理庁は8日の衆院法務委で、2023年1〜6月に審査を終えた1825件のうち1割強の235件で住民税や国民年金保険料などの未納が確認されたと明らかにした。
立憲民主党は永住権の取り消しができる措置の導入に反対している。道下大樹氏は15日の審議で「外国人の未納よりも日本人の未納の割合の方が高い」と批判した。
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