川勝知事の突然の辞任により5月9日に告示された静岡県知事選挙。県政史上最多となる6人が立候補していて、26日に投開票が行われます。

ここでは、それぞれの候補者の訴えや戦い方などについて紹介します。

立候補しているのは、届け出順に、いずれも新人で 諸派の横山正文(よこやま・まさふみ)候補、共産党の森大介(もり・だいすけ)候補、無所属の鈴木康友(すずき・やすとも)候補、無所属の大村慎一(おおむら・しんいち)候補、無所属の村上猛(むらかみ・たけし)候補、無所属の濱中都己(はまなか・さとみ)候補の6人です。

このうち今回は立憲民主党と国民民主党が推薦する前の浜松市長の鈴木候補について紹介します。

豊富な経験をアピール

鈴木 康友 候補:
県政が混迷を深める中、もう一度自分が必要とされるならば、県政のけん引役となって、最後のご奉公のつもりで、がんばろうと決断をいたしました


告示日にこう訴えたのは鈴木康友 候補です。

これまで、衆議院議員を2期5年務めたほか、2023年までの4期16年、浜松市長としての職を全うし地元で高い知名度を誇ります。

一番強くアピールするのは豊富な経験です。


鈴木康友 候補:
私が積み上げた経験、知見、ネットワークこうしたものを全部注ぎ込んでこの混迷する県政を立て直し、そしてさらに静岡県をもっともっと発展させていく


服装は「自然体」も気合は十分

選挙戦の服装は「自然体」がテーマ。企業訪問などを除いてTシャツの上にジャケットを羽織ったラフな姿ですが、気合は十分。

街頭演説のあとは、走って県民に声をかけに行き、遊説カーからは身を乗り出して、声援に応えます。


(Q体力的には?)
鈴木康友 候補:
全然大丈夫ですね。毎日筋トレしてますので、きょうも朝走ってきました


これまで何度も選挙戦を戦ってきた鈴木候補ですが、全県選挙は初めて。告示日 最初の演説を沼津市で行うなど、馴染みの薄い地域での浸透を図ります。

鈴木康友 候補:
今回改めて隅々までお邪魔をして(県東部の)潜在的な素晴らしさを実感しました。そうした東部の良さを全力で引き出して、元気な伊豆半島、元気な東部をつくっていきたい

市長時代にも力を注いできた企業誘致などの産業政策で東中西、それぞれの地域特性を生かした取り組みを進めていくと訴えます。


「SNS隊」が同行・広い年齢層に発信

そんな鈴木候補が今回の選挙戦で活用しているのがSNSです。活動に同行する「SNS隊」の大学生や地元議員が、鈴木候補を撮影します。

鈴木康友 候補:
若い皆さんはやっぱりSNSに慣れていますし、そういうところから情報を得る。テレビや新聞のニュースだけじゃなくて、SNSというのはこれから大事なメディア媒体だと思います

広い年齢層に対して訴えるだけでなく、広い県内をくまなく回る選挙戦。リニア新幹線に県営野球場、それぞれの地域の関心ごとについて自分の思いを伝えます。
          
鈴木康友 候補:
今 水の問題、あるいは環境の問題もひとつひとつ課題をクリアしようとみんなが努力をして方向性が見えてきています。大井川流域市町の皆さん、そして県とJR東海と何よりも国がしっかりと連携をしそれぞれが責任を持ってこの課題をクリアしながら大井川の水を守りながらプロジェクトを進めていく


県営野球場については、球場を中心としたボールパークを整備する考えですべての課題に向き合う姿勢を見せます。

鈴木康友 候補:
私はこれまで色々な新しいことをやってきた。新しいことをやれば必ず課題があり問題が起こる。問題があるからやめるんじゃなくて問題を解決して前に進む。これが鈴木康友の政治姿勢であります

盟友の元総理も応援に駆け付け

地元・浜松市での出陣式には、鈴木候補の「最大の後ろ盾」自動車メーカースズキの鈴木修 相談役が見守る中、様々な支援者が出席。 

自民党本部が対立候補を推薦している一方で鈴木候補を支援する市議会自民党会派の議員や名古屋市の河村たかし市長もエールを送りました。

名古屋市・河村たかし市長:
ひとことだけ言っておくと、わしは一応名古屋の市長なので、リニアはやってもらわないといかん。康友さんをしっかり応援して、サンキューベリーマッチ

また、松下政経塾の同期で、互いを「のだっち」「やっちゃん」と呼び合う関係の
野田佳彦 衆議院議員も太鼓判を押します。

立憲民主党・野田佳彦 衆議院議員 :
これまでは浜松市民に寄り添ってきました。今度は360万人の県民に寄り添って、徹底して仕事をするのは鈴木康友だと確信しております。静岡に生まれ、育って良かったと思えるふるさと静岡県を作ろうではありませんか、皆さん

争点は「幸福を感じる県をどう作っていくか」

豊富な経験、人脈を生かし、目指すのは幸福度ナンバー1の静岡県。県民とともに歩んでいきたいと訴えます。

鈴木康友 候補:
県民の皆さんが幸福感を感じて生きていける県をどのように作っていくかがもっとも大事な争点だと思っています。オール静岡で幸福度日本一の静岡県を一緒になって創っていきましょう

東部や中部で訴えを浸透できるか

主な争点に対する鈴木候補の主張がこちらです。

リニアについては「県内に停まる新幹線の本数が増えるメリットがある」とした上で「環境面の課題をクリアしながら推進していく」と訴えています。

また浜松市で計画されている県営野球場については経費削減の案として「開放型ドーム」を提案し球場を中心としたボールパークの整備に力を入れていきたいと話しています。

浜松市など県西部での知名度はありますが、なじみの薄い中部や東部で訴えを浸透させられるかが注目されます。

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