千葉市長になってからの3年間を振り返った神谷俊一氏。来春の次期市長選出馬について、毎日新聞のインタビューに、方向性を示した事業は何年もかかることがあり、それを自身が担うことが最善だと思える時期が来たら判断すると、前向きと取れる発言をした。【聞き手・柴田智弘】
――官僚や市の局長、副市長を経験し、市長という政治家へ転身しましたが、見方は変わりましたか?
3年間で100回を超える「市長と語ろう会」といった地域課題を直接聞く機会を設けた。公務員は制度にのっとって仕事をするが、政治家は制度を新たに作り、検討の場を設けて方向性を示すことが求められる。例えば、JR京葉線のダイヤ改正について、市長に変更する権限はないが、地域の声を集め、積極的な意見表明を行った。
――議会との関係をどう見ていますか。
◆市政与野党問わず、改善につながる要望は真摯(しんし)に検討し、緊張感ある連携関係が培われている。この3年間、自民党会派の分裂と再合流、維新会派の結成など議会環境は変化したが、地域の課題と向き合う議員の提案は大切にしたい。
――政令市である千葉市と県の連携はいかがですか?
◆非常に進んでいる。「県市間連携会議」で防災ヘリコプターや水道の広域連携について議論し、ヘリの維持費として年間7000万円を県が負担し、県内での訓練など出動回数も増えた。また、市立病院移転先が県有地に決まるなど、土地の相互利用もできている。以前は県の会議資料が数日後に紙で送られてきたが、今はオンライン会議でリアルタイムに共有できる。日常的に意見交換をする機会が増えている。
――任期は残り1年ですが、来春の市長選への出馬は考えていますか?
◆今は、公約の実現に全力を尽くしたい。方向性を示した事業には、何年もかかるものもあり、自分が担うことが最善だと思える時期が来たら判断したい。
例えば、新たな湾岸道路が具体的な検討段階に入った。国道357号について、蘇我地区の6車線化や検見川地区のスマートインターチェンジ整備などの完成には時間がかかる。
また、最近は路線バスの減便が相次いでいる。路線維持や代替運行など身近な移動手段の確保に今まで以上に注力していきたい。
――市の将来像をどう考えていますか。
◆千葉市は東京のベッドタウンの要素よりも、地域の拠点都市としての機能を磨く必要がある。近年は全世代が転入超過で、住む場所だけでなく働く場所としても選んでいただいている。長く暮らし続けられるような地域づくりが大切だ。
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