政治資金規正法改正案について記者団の取材に答える維新の音喜多政調会長(21日午前、国会内)

日本維新の会は21日、自民党派閥の政治資金問題を受けた政治資金規正法の改正案の概要を発表した。政党が議員に支出する政策活動費について代替制度を設ける内容を盛った。政党が支出できる金額や使い道を限定し、10年後に領収書などを公開する。

22日に衆院に法案を提出する。音喜多駿政調会長は21日の記者会見で「プライバシーを確保する必要があり、(領収書などを)フルオープンにできない事情は一定理解できる。現実的な解として時限公開すべきだ」と述べた。

規正法上、政策活動費は明確な定義がない。維新案は法改正で政党が議員らに精算不要な「渡切り」の方式で経費を支出するのを禁止し、代わりに「特例支出制度」を設ける。

支出の目的を①党勢拡大②政策立案③調査研究に限定する。支出できる総額にも上限を設ける。政党交付金の1%または5000万円の少額のほうを上限に設定する。

政党が報告書を作成し、領収書を添付した上で自治体の選挙管理委員会などに提出する。提出の10年後に公開する。音喜多氏は「公開されるからむちゃくちゃな使い方はしないという抑止力がかかる」と説明した。

自民党の規正法改正案では50万円超の政策活動費を受け取った議員が何に使ったのかを政党に伝え、政党が収支報告書に記載する。公開範囲は項目ごとの使用額にとどまり、維新案とは開きがある。

維新案は企業・団体による献金やパーティー券の購入の禁止も盛った。パーティー券購入者の公開基準も現行の「20万円超」から「5万円超」に引き下げる。1回のパーティーで同一の者から対価を受けられる限度額150万円から年間100万円にする。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。