サウジアラビアのムハンマド皇太子とオンライン協議する岸田文雄首相㊨(内閣広報室提供)

岸田文雄首相は21日、サウジアラビアのムハンマド皇太子とオンラインで協議した。脱炭素やエネルギーの包括的な協力枠組み「戦略的パートナーシップ協議会」の立ち上げで合意した。エネルギー、産業、中東の安定、ソフトパワーの4本柱を中心に協力を深める。

脱炭素に関する日本の技術を活用し、水素やアンモニアなどクリーンエネルギーのサプライチェーン(供給網)構築の協力で一致した。ムハンマド氏は日本への原油の安定供給にコミットすると述べた。

首相はサウジを含む中東6カ国でつくる湾岸協力会議(GCC)との自由貿易協定(FTA)の早期妥結に向けて連携を要望し、ムハンマド氏は日本との協力を歓迎すると表明した。

パレスチナ自治区ガザ情勢についても意見交換した。中東地域の平和と安定に向けた外交努力で、緊密な連携を確認した。

ムハンマド氏は父親のサルマン国王の健康状態を理由に、20日から予定していた来日を延期した。オンライン協議で、早期の訪日が実現するよう調整したいと述べた。ムハンマド氏はサウジの事実上の最高権力者として、国政を取り仕切っている。

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