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 来月から定額減税が始まるのを前に、政府が給与明細への減税額の明記を会社に義務付け、現場に混乱が広がっています。

■政府決定に戸惑い「前もっての広報は必要」

 定額減税の給与明細への明記。東京・大田区の町工場にとっては、寝耳に水のニュースでした。 研磨剤などの製造販売 インターナショナルダイヤモンド
江口國康社長

「現段階では準備していなかった。正直やりたくない作業」

 ダイヤモンド製の工具や研磨剤を手掛ける会社。従業員およそ40人の給与の計算は、すべて江口社長本人が担当しています。

江口社長
「(Q.『義務化ですよ』と言われて受け止めは?)通常業務とは別の業務なので、前もって情報をいただけると…。前もっての広報は必要なのかなと思います」

 政府の決定に戸惑いを隠せません。

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■減税額“給与明細に明記を” 企業の負担増加

■減税額“給与明細に明記を” 企業の負担増加

 来月から始まる、定額減税。1人あたり年間で、所得税を3万円、住民税を1万円、合わせて4万円を差し引くものですが、ここにきて、政府が発表したのは…。

林芳正官房長官
「所得税の減税額について、源泉徴収義務者(企業など)において給与明細に明記してもらう」

 給与などを支払う企業に対し、所得税の減税額を給与明細に明記するよう義務付ける、というのです。

 具体的には、来月以降の給与明細に「定額減税」の項目が加わり、所得税から差し引かれる減税額が明記されます。

 一方、住民税は、6月分は一律、徴収されないため、明細上は0円と入力されます。その後、住民税の年間の総額から減税分を差し引いた額を7月から来年5月まで均等割りして収めます。

鈴木俊一財務大臣
「企業の源泉徴収義務者に、一定の負担が生じるのは事実だと思います。負担といえば負担ですが、受け止めて協力をお願いしたい」

 政府も認めるように、実際に増えるのは企業の負担です。新たに減税額を計算し、給与明細に明記する労力は少なくありません。

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■政府の狙いは?「環境整備の一環」

■政府の狙いは?「環境整備の一環」

江口社長
「我々の会社では、給与計算ソフトを使っています」

 大田区の町工場では、江口社長が5月分の給与計算を終えたばかりでした。しかし、すぐに来月に向け、定額減税を計算できるよう、給与ソフトをアップデートしなければなりません。

江口社長
「おそらくここに、定額減税の文言が入ってくるんじゃないかなと思います。ただ来月は賞与月なんです。賞与プラスアルファになるので、通常より倍の作業」  面倒な実務を企業に丸投げした、との批判もある一方、政府としては実際にいくら減税されたかを示すことで、手取りの増加を実感してもらう狙いがあるようです。 テレビ朝日 政治部 山本志門デスク
「減税というのは政権浮揚の大きなカードなんです。ところが4万円という額が少ないんじゃないかという声も多い中で、政権としては、減税したことに気づいてもらえないのではないかという、焦りも透けて見える。岸田総理は、増税メガネと揶揄(やゆ)されていますし、今は支持率の低下に苦しんでいるので、今回の減税で支持率の上昇につなげていきたい。そうなれば、自らの手で解散総選挙のタイミングも見通せてくる可能性が出てくるわけです。給与明細への明記というのは、まさにその環境整備の一環」

(「グッド!モーニング」2024年5月22日放送分より)

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