参院予算委員会で岸田文雄首相に質問する立憲民主党の辻元清美氏=国会内で2024年5月22日午後1時半、平田明浩撮影

 定額減税額の給与明細明記義務化は22日の参院予算委員会でも問題視され、立憲民主党の辻元清美氏は義務化するなら2026年度開始予定の「子ども・子育て支援金」の徴収額も明記させるべきだと訴えた。岸田文雄首相は曖昧な答弁に終始。辻元氏は「減税はアピール、増税、負担増はステルス、隠すということがはっきりした」と切り捨てた。

 辻元氏はまず、減税額の明記は義務なのかを確認。首相が財務省令で義務的記載事項として定めていると説明すると「じゃあ、増税の時も義務として書かせるんですか」と問いかけた。

 首相は「増税についても、税の明細は明細書に明らかにされる」と語ったが、医療保険料に上乗せ徴収予定の支援金額も明記を義務づけるのかと問われると答弁姿勢は慎重になった。首相は「医療保険とあわせて徴収する際に明細等が書かれることになると考える」と述べる一方、支援金は「法律上、義務的に明記する事項と定められているものではない」とも言及。「制度導入までに詳細について確定する」と明確な方針までは示さなかった。

 辻元氏は、減税のみをアピールしたい政府の姿勢が明確になったと主張。「そもそも総理、減税減税って、自民党は裏金で脱税しておいて、何を言っているんだと。国民にそう思われていると自覚した方がいい」と力を込めて語った。

 政府は子育て施策充実の財源確保に向け創設する「子ども・子育て支援金制度」で26年度に6000億円、27年度に8000億円、28年度に1兆円を徴収する方針。3月公表の政府試算によると、医療保険加入者1人当たりの平均月額は26年度で約250円、27年度で約350円、28年度で約450円となるが、実際の負担額は医療保険の種類などによって異なってくる。【加藤明子、樋口淳也】

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