兵庫県知事のパワハラなどの疑惑を告発した職員が懲戒処分を受けた問題で、県議員らが百条委員会の設置を申し入れました。

ことし3月、西播磨県民局長だった男性職員(60)が、斎藤知事を告発する文書を一部の報道機関などに配りました。

県は内部調査の結果、告発文は”事実無根”だとして、男性職員を停職3カ月の懲戒処分としました。一方で、一部県議は「調査は客観性に欠ける」として再調査を申し入れ、斎藤知事は22日、第三者委員会による再調査を実施すると明言しました。

一部県議は23日、第三者委員会に加えて「百条委員会」での調査も必要と訴えました。

【兵庫県議会 橋本慧悟議員】「(第三者委では)人選とか調査方法含めて、知事の利害関係者、それに相当する委員による調査が行われるのではないかという懸念も排除できない」


百条委員会が設置されれば、議会に「調査権」が認められ、関係者の出頭や証言を求めることができます。そこで、ウソの陳述や正当な理由がなく出頭を拒否した場合などは、禁固刑や罰金などが科せられることもあります。

【兵庫県議会 丸尾牧議員】「やはり当局から独立した立場で、より公正公平な立場で、調査権限を持っている百条委のほうが真相究明もできると思う」

しかし、百条委員会の設置にはハードルがあります。兵庫県議会(定数:86)の場合、議長を除く過半数43人以上の賛成が必要となります。

選挙戦で斎藤知事を推薦した最大会派・自民党議員団は23日、設置についての対応を協議。現状、所属議員36人は賛成派と反対派などに意見が分かれています。

【自由民主党議員団 北野実幹事長】「百条調査権は通常の審査や監査では明らかにできない場合の真相究明の最終手段。それも含めて、われわれは(百条委の)調査・検討していきます。あくまでも”検討”ですからね、”検討”」

また同じく斎藤知事を推薦した21人が所属する第2会派の維新議員団は…

【維新議員団 岸口実団長】「第三者委員会、第三者機関の内容についてまだなにも決まっていない。まずは第三者委員会の設置をしっかりして、県民の皆さまに事実関係を説明する、納得いただくのが最初かなと思っている」


丸尾県議たちは百条委員会の設置議案を、早ければ6月議会で提案したいとしています。

(関西テレビ「newsランナー」5月23日放送)

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