群馬県の山本一太知事は24日、宇留賀敬一前副知事(43)の再任案を同日の本会議に提出せず、先送りする考えを記者団に明かした。第2回定例会の会期中の提出を目指す。最大会派の自民党が一貫して慎重な姿勢を示しており、全面対決を避けた形。
同日朝、自民幹部は「ウルトラCになる。まだまだ波乱は続く」とつぶやいた。その後に開かれた議会運営委員会では、山本氏が当初予定していた副知事再任案の追加提出を見送った。自民県連の井下泰伸幹事長は記者団に「知事を支えるのは変わらない」としつつ、再任案への対応は「議案が出るか出ないかは仮定の話。出たら(対応を)考える」と述べるにとどめた。
経済産業省出身の宇留賀氏は2019年8月に副知事に就任。県政に注力するとして、今月21日に県を退職。22日、同省に戻った直後に退職し、最短の24日での再任を目指していた。山本氏は24日、先送りの理由について、安孫子哲議長(当時)らから自民との話し合いを求められたと説明。「再任が県と県民のためになると確信しているので(自民に)よく伝えたい」と述べ、6月17日に閉会予定の今議会中に再任案を提出する考えを示した。
説得した安孫子氏は「県政の混乱を避けたかった。知事は対決より対話で、自民の理解・協力を求めた上で議案を提出してほしい」と指摘した。ただ、野党内でも「副知事再任に賛成するかは決めていない」との声があり、今後の展望は不透明なままだ。【田所柳子、日向梓】
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