自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に絡み、菅家一郎元副復興相は27日、国会内で記者会見し、2018~21年に安倍派からキックバック(還流)された計1289万円を原資に、自身が代表を務めていた党支部に寄付し、所得税の一部を控除される税優遇を受けたことを認めた。一方で、事件後に控除分を返還したことなどを理由に「何ら法に違反していない」と開き直り、議員辞職や離党は否定した。
毎日新聞は同日、菅家氏が20、21年に安倍派から還流された678万円を原資に計1201万円を支部に寄付し、税優遇を受けた疑いがあると報道した。
菅家氏は会見で18、19年も含めた4年間の還流分(1289万円)と、個人で拠出した1326万円を合わせた計2615万円を支部に寄付したと説明。「全て政治活動に使った」と語った。
政党などへの寄付に伴い所得税が控除される「寄付金控除」は、個人が寄付した場合にしか適用されない。この点について、菅家氏は「派閥の名義で(寄付を)書くなと言われたので、個人名義での寄付にした」と釈明。事件発覚後、派閥名義での寄付に修正したため、控除分については返還したという。
菅家氏は会見で「寄付の名義が違ったことは重く受け止め反省するが、個人名義で寄付しなければ裏金になるので、そうせざるを得なかった」と主張。「派閥が『記載するな』という違法な会計処理をしてきたことが問題だ」とも語った。
政治家が自身の政党支部に寄付して控除を受けることは、過去にも問題視されてきた。菅家氏は「担当の税理士は法律にのっとり申請をしていた。他の国会議員だって寄付金控除を受けられれば申請するのではないか。控除のあり方は今後、議論すべき案件だ」との認識を示した。【田中裕之】
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