元日に発生した能登半島地震で、石川県ではこれまでに260人の死亡が確認され、3人が行方不明となっています。
260人のうち30人は、被災後の避難生活によるストレスや疲労などを原因とする災害関連死で、認定される被災者は今後の審査でさらに増えるとみられます。
被災地で建設されている仮設住宅は、県が必要と見積もる6603戸のうち7割近くにあたる4443戸が完成しました。
新しい住まいで生活する被災者も増える中、災害関連死や孤立を防ぐための取り組みが求められていて、石川県は保健師などによる戸別訪問のほか、高齢者向けに食事や入浴を提供したり被災者どうしが交流したりできる拠点を整備するなどして、対策に力を入れていく方針です。
また、被災地では今も3000人余りが避難所での生活を余儀なくされ、安心して暮らせる住まいへの入居を待っています。
引き続き仮設住宅の建設を急ぐとともに、少しでも早く公費解体や住宅の修理を進めて、被災者の生活再建を後押しできるかも課題となっています。
人的被害
能登半島地震で、石川県内ではこれまでに災害関連死を含む260人の死亡が確認され、3人が行方不明となっています。
亡くなった人を自治体別にみると
▽輪島市が112人
▽珠洲市が111人
▽穴水町が20人
▽能登町が9人
▽七尾市が5人
▽志賀町が2人
▽羽咋市が1人となっています。
260人のうち30人は、被災後の避難生活によるストレスや疲労などを原因とする災害関連死と認定されています。
また、輪島市では今でも3人の行方がわからなくなっています。
けがをした人は、合わせて1201人となっています。
避難者数
石川県によりますと、先月28日の時点で合わせて3319人が避難所に身を寄せています。
このうち
▽1次避難所にいる人が1623人
▽地元を離れて宿泊施設などに避難している人が1696人です。
避難所に身を寄せている人の数は、地震直後のピークだった3万4000人余りと比べるとおよそ1割まで減少し、自宅に戻ったり仮設住宅に入居したりする被災者が増えています。
一方で断水の解消が遅れている地域があるほか、仮設住宅への入居を待つなど、避難所での暮らしが長期化している被災者もいます。
住宅被害など
能登半島地震による石川県内の住宅への被害は、先月28日の時点で合わせて8万918棟にのぼっています。
このうち
▽全壊がおよそ1割にあたる8108棟
▽半壊がおよそ2割にあたる1万6504棟です。
自治体別では
▽輪島市が1万4816棟
▽七尾市が1万4323棟
▽志賀町が7204棟
▽珠洲市が7038棟などとなっています。
一方、全半壊した建物の解体・撤去を自治体が費用を負担して行う公費解体は、先月26日の時点で、県内の15の市と町の合わせて1万5614棟について申請が出されています。
これに対し、解体・撤去が完了したのは346棟にとどまっています。
県は公費解体の対象となる建物をおよそ2万2000棟と推計し、来年10月までに完了させる計画で、事業者の宿泊場所を確保するなどして作業を加速させたい考えです。
仮設住宅
石川県は能登半島地震の被災地で建設が必要な仮設住宅の数を、6603戸と見積もっていて、県によりますと、31日までに7割近くにあたる4443戸が完成しました。
完成した仮設住宅は
▽輪島市で1896戸
▽珠洲市で854戸
▽能登町で486戸
▽穴水町で450戸
▽七尾市で411戸などとなっています。
県は仮設住宅の建設を急ぎ、今月中には必要な戸数のおよそ8割にあたる5000戸を、8月中にはすべての仮設住宅を完成させ、希望する被災者全員に入居してもらいたいとしています。
断水
石川県内では、早期の復旧が難しい地域を除いて、31日までに断水が解消しています。
引き続き断水しているのは
▽珠洲市で1076戸
▽輪島市で745戸の合わせて1821戸で
土砂崩れや建物の倒壊が原因で作業員が立ち入れないなど、早期の復旧が難しい地域です。
一方、断水が解消しても住宅につながる給水管が損傷しているため、水が出ないケースが各地で相次いでいます。
能登地方では水道の修理業者が限られるため、県と業界団体は能登地方以外の業者を手配する支援を始め、復旧を後押ししています。
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