この画像は5月4日朝6時の可視画像です。中国山地沿い、内陸部には、白い雲のようなものが確認できます。実は、この大部分は雲ではなく、霧なんです。 徐々に気温が上がり、日中は蒸し暑く感じられる日も多くなってきましたが、北部や内陸部を中心に、朝晩はまだ気温が低い日も多く、ヒンヤリと感じられる日もありますよね。「放射冷却がきいて、霧が出る」というような説明を聞いたことがあるという方も多いかと思いますが、今回は霧についてまとめました。

そもそも霧とは何でしょうか。霧とは、空気中の水蒸気が冷やされることで発生する細かい水粒子の集まりのことです。気温が下がり、水蒸気が空気中に溶けていられなくなり、水滴に変化してしまうことで発生します。では、霧と雲の違いは何でしょうか?霧と雲をまったく別物だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は霧と雲は全く同じものなんです。地面に接していると霧、地面から浮いているものを見上げると雲になります。

霧にはいくつか種類があります。その中でも代表的な、放射霧、滑昇霧、蒸気霧、移流霧について。まず放射霧とは、晴れた日に、地表の熱が宇宙へと逃げていくことで冷え込みが強まり、地表付近の水蒸気が冷やされて水滴になることで発生する霧です。主に内陸部や盆地で発生します。

滑昇霧とは、空気が風によって山を滑昇することで冷やされ、水蒸気が水滴に変わることで発生する霧です。山の斜面で発生するため、ふもとでは雲に見えますが、山の中にいると霧に見えるという現象が発生します。

蒸気霧とは、冷たい空気が暖かい川や湖の上に移動し、水面からの水蒸気が冷やされて発生する霧です。露天風呂で湯気が出ている状態をイメージしていただくと分かりやすいかと思います。移流霧は、蒸気霧と反対の現象で、暖かい空気が冷たい海上や陸上に移動し、冷やされることで発生する霧です。暖かい空気は沖合から継続して流れ込むため、霧が晴れるのに時間がかかることが特徴です。

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