輪島市では、みずから食事を用意することが難しい1人暮らしの高齢者や障害者などのため、市が費用のおよそ半分を負担し、調理した食事の配達を通じた見守りサービスを提供しています。
輪島市によりますと、このサービスは市から委託を受けた5つの事業者が行っていて、能登半島地震の発生前にはおよそ170人が利用していました。
しかし、地震のあとこのうち4つの事業者は施設の水道設備の復旧工事が遅れていることや、スタッフの不足などを理由に市内でのサービスを再開できていないということです。
一方、輪島市河井町にある事業者は、地震で壊れた水道設備などの修理を先月終え、市内で唯一、サービスを再開しました。
地震の前には100人ほどに食事を配達していましたが、現在は利用者の多くが避難所や市外の家族のもとに身を寄せていて、配達先は4人となっています。
配達するスタッフは自宅や仮設住宅に食事を届ける際に利用者の体調に変化がないかなどを聞き取り、異変があれば市や利用者の家族に連絡しています。
市は仮設住宅への入居が進む中で高齢者などの孤立や災害関連死を防ぐためにも、食事の配達を通じた見守りサービスの継続は重要だとしていて、今後、事業者の再建をどう後押ししていくかが課題となっています。
1年以上、サービスを利用しているという69歳の男性は「自分で買い物に行くことができないため再開してくれて助かっています。毎日、会話ができるのも楽しみです」と話していました。
配達を再開した事業者「輪島KABULET」の寺田誠 施設長は「食事を通じた安否確認や見守りは大切なことだと思っています。被災者の健康のためにも引き続き市と連携して取り組んでいきたいです」と話していました。
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