「珠洲焼」は鉄分を含んだ土を使って高温で焼き上げた深みのある灰色が特徴の伝統工芸品で、地元の作家で作る団体と珠洲市などは毎年10月、作品の展示・販売を行う「珠洲焼まつり」を開催しています。

ことしの開催について、まつりを主催する作家の団体「珠洲焼創炎会」は検討を続けてきましたが、11日の理事会でことしの開催を中止することを決めました。

地震による地域の生活への影響が続いていることや、窯元の復旧が進んでいないため、参加者を募っても少数になると見込まれることなどが理由だということです。

団体では、加入している20の窯元すべてが窯が壊れるなどの被害を受けているとしています。

「珠洲焼創炎会」の会長で珠洲焼作家の篠原敬さんは「作家が窯を1日も早く復旧させることと暮らしの再建に集中する時期にしてもらいたい。来年の再開を目指していきたい」と話しています。

珠洲焼作家「中止はしかたない 来年は開催を」

「珠洲焼まつり」に毎年参加していた能登町松波の珠洲焼作家の鈴木吉彦さんは、能登半島地震で作業小屋や自宅に置いていた作品の6割ほどが棚などから落ちて割れてしまい、廃棄したということです。

鈴木さんは「まつりに向けて準備してきたのですが、地震があったので中止はしかたないです。まつりは買い手と交流できるとてもいい機会なのでどういう形になるかわかりませんが、来年は開催してほしいです」と話していました。

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