22日の宮城県内は、晴れて強い日差しが照り付けています。福島や山形も同様に晴れている一方、23日は日本海から前線や低気圧が近づくため、各地で雨が降る見込みで、東北南部の梅雨入りが発表される可能性があります。23日の梅雨入りとなれば、平年(6月12日)より11日も遅くなります。
では、梅雨入りが遅いと梅雨明けも遅くなるのでしょうか?
東北南部の梅雨入りが平年より10日以上遅くなったのは、1951年の統計開始以降これまで7回あります。その時の梅雨明けは、平年の7月24日より早くなったのが2回、逆に遅くなったのが4回あり、うち3回は8月6日以降というかなりの遅さです。
さらに、梅雨入りが6月30日と過去最も遅くなった2017年は、梅雨明けが特定できませんでした。この年は8月になってオホーツク海高気圧が張り出し、宮城県内は冷たく湿った北東の風の影響で曇りや雨の日が続き、仙台では36日連続で降水を観測するという最長記録が生まれました。
梅雨明けが8月6日にずれ込んだ2008年も、7月下旬ごろはオホーツク海高気圧が度々張り出して、梅雨前線が北上しきれず、東北南部に影響しやすい状態が続きました。
サンプル数が7回と少ないため、明確に相関があるとは言えないものの、東北南部に関しては上記のように梅雨入りが遅れると梅雨明けも遅れる印象があります。
梅雨空が長引くことは考えにくい状況
ただ今年に関しては、長期予報の資料を見ると、オホーツク海高気圧はこの先、あまり出現しないと予想されます。
例えば7月と8月の平均的な気圧の偏差図(平年からの差)を見ると、本州から南は気圧が平年より高く予想されていて、これは太平洋高気圧が例年以上に強まりやすいことを示しています。一方で北海道より北は気圧が平年より低く予想されていて、オホーツク海高気圧が出現しにくいことを示しています。
このような気圧配置になると、東北地方は南西の方から暖かい空気が流れ込みやすく、宮城県内は晴れ間が広がり暑くなります。
一方で山形は日本海から雨雲のもととなる湿った空気が流れ込みやすいと考えられるため、今年の東北南部の梅雨明けの時期というのは現時点では予想しづらいですが、宮城に関しては上記の2008年や2017年のように梅雨空が長引くことは考えにくい状況です。
25日には7月から9月にかけての最新の3か月予報が発表されるため、ここで夏の天候の見通しがさらにはっきりしてくるかと思いますが、今年も気温が平年より高い「猛暑」の夏になるのではとみられます。今のうちから、熱中症にならないよう気をつけながら、暑さの中で体を適度に動かすなど「暑熱順化」を心がけ、夏本番に備えていきましょう。
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