全国では230人以上、広島県だけでも153人が犠牲となるなど“平成最悪の大雨災害”となった2018年の西日本豪雨。あの日、広島ではいったい何が起きていたのか、当時の映像から振り返ります。
被害相次ぐ前日からすでに大雨 気象庁は“異例の臨時会見”を実施
広島市中区(7月5日午前)
広島で豪雨による甚大な被害が相次ぐ前日の7月5日。県内はすでに強い雨が降り、大雨警報が発表されていました。
東京・気象庁(7月5日午後)
そんな中、5日午後、気象庁が異例の会見を開きます。記録的な大雨となる可能性を伝えるためです。当時は台風以外で事前に会見を開いて警戒するよう呼びかけるのは異例の対応でした。
気象庁による臨時会見
「非常に激しい雨が、断続的に数日間降り続き、記録的な大雨となるおそれがあります。」
安芸高田市(7月5日)
すでにこの日、安芸高田市では、男性が川に流されるなど被害も出始めていました。
雨の降り方は、夜遅くにはいったん小康状態となったものの、翌6日の朝から再び強くなります。
気象庁が再び会見で警戒呼びかけ 6日午後になると影響が急拡大
岩永哲気象予報士
「徐々に被害というかですね、ちょっと崖が崩れたりとかいうようなことが起き始めている。」
泉水はる佳アナウンサー
「1時間前、午後2時ごろの様子ですね」
岩永哲気象予報士
「そうですね、はい、尾道市栗原町ですね。民家の裏側の斜面が崩れていると」
広島駅からの中継(7月6日午後3時)
石田充アナウンサー
「雨量計、これが基準値を超えたということで、広島管内の在来線はすべて運転を見合わせることになると…」
広島県内の交通機関では運転見合わせや通行止めなどの影響が事前の想定よりも早く広がっていきます。
泉水はる佳アナウンサー
「山陽自動車道は広島インターチェンジと岡山県の備前インターチェンジの間で通行止めに…」
太田川・矢口水門から中継(7月6日午後4時40分)
長谷川努アナウンサー
「現在、雨の状況はまた一段と激しさを増したようにも見えます。水位もだいぶ上がってまいりました。」
イマなまっ!(7月6日午後4時45分)
青山高治アナウンサー
「これから夜にかけて雨の降り方というのが非常に心配ですね」
岩永哲気象予報士
「そうですね、ちょっと心配なのが、これからが雨の降り方のピークになる…」
夕方以降に被害が急拡大 人が “生き埋め”の情報が次々と
6日夕方以降、非常に激しい雨を降らせる発達した雨雲が帯状になって広島県へとかかるようになります。広島市中心部では道路が広く冠水。土砂崩れが発生して人が巻き込まれたといったような情報が、ニュース番組の放送中に次々と届くようになります。
ニュース6(7月6日午後6時15分すぎ)
小林康秀アナウンサー
「そして、きょう午後なんですが、広島市で崩れた裏山の土砂に住宅の一部が埋まり、女性1人が閉じ込められています。では、今、現場に到着した映像を中継でご覧いただきます。こちらご覧いただいているのは被害にあった広島市南区丹内町の住宅地です。」
広島市南区丹那町(7月6日午後6時すぎ)
記者リポート
「今、目の前でまさに土砂が崩れています。少しずつ雨の影響で土砂が山の土砂が崩れています。」
区の広報車による巡回
「土砂災害が発生しています」
記者リポート
「続々と避難をする住民の姿が見られます。」
ニュース6(7月6日午後6時50分)
小林康秀アナウンサー
「そして今入ったニュースがあります。消防によりますと午後6時半ごろ、広島市東区馬木で人が生き埋めになったと消防に通報がありました。」
広島市南区宇品(7月6日午後7時すぎ)
記者リポート
「あたりでは消防のサイレンが鳴り響いています。道路が完全に水没していて、一面が川のようになっています。」
気象庁「大雨特別警報」発表(7月6日午後7時40分)
「九州北部地方に加えて、広島県、岡山県、鳥取県に大雨特別警報を発表しました。これまでに経験したことがないような大雨となっています。」
平日夕方の帰宅時間帯を直撃 濁流に巻き込まれる車
広島市安芸区矢野町(7月6日午後7時40分ころ)
広島市と呉市を結ぶ県道34号線では、道路が一気に濁流となり、立ち往生した車が次々とのみこまれました。
広島市安芸区矢野(7月6日午後8時半)
民家の軒先に取り付けてあった一台の防犯カメラは、濁流となった道路上を、車が次々と流されていく様子を記録していました。
広島市東区馬木(7月6日午後8時半)
記者リポート
「東区馬木の住宅街なんですけれども、これ住宅街の道路なんですが、上の方からいろんなものが流されてきて、道を完全にふさいでいます。消防隊の方もいらっしゃるんですが、もう目の前は、ご覧のように濁流になってまして、近づくことができません。」
広島市安佐北区口田南(7月6日午後9時半)
記者リポート
「安佐北区の口田南です。こちらの奥の住宅地の山が崩れたという情報が入っています。ご覧のように道路は濁流で冠水しています。」
広島市安佐北区深川(7月6日午後10時半)
記者リポート
「この先に深川小学校がありまして、そこが避難所となっているということですが、道路が完全に冠水しているためにですね、避難所に向かうことができません」
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