7月20日から夏休みに入る小学生も多いことと思います。
そこで気象予報士として自由研究におすすめなのが「夏休み中に雲を全種類見つけてみよう!」というものです。
毎日見える雲の形は違っていて、完全に同じ形の雲は一つとしてありませんが、世界気象機関(WMO)は見える高さや形状などから10種類に分類しています。
ここでは10種類の雲の特徴を写真と共に解説します。
●巻雲(けんうん)
空の高いところ(高度5~13キロ)に現れる、はけで描いたような雲。
「筋雲(すじぐも)」と呼ばれ、秋によく見られる。
●巻層雲(けんそううん)
空の高いところ(高度5~13キロ)に現れる、薄い雲。
「薄雲(うすぐも)」と呼ばれ、太陽の光をさえぎることはない。
太陽の周りに「日がさ」と呼ばれる、明るい輪っかのような模様をつくることがある。
これが現れると、天気が「下り坂」のサイン。
●巻積雲(けんせきうん)
空の高いところ(高度5~13キロ)に現れる、魚の「うろこ」のように小さなかたまりがたくさん集まった雲。
「うろこぐも」や「さばぐも」、「いわしぐも」と呼ばれ、これも秋によく見られる。
●高積雲(こうせきうん)
空の中くらいの高さ(高度2~7キロ)に現れる、巻積雲よりもう少し大きなかたまりがたくさん集まった雲で「ひつじぐも」と呼ばれる。
手を伸ばして、雲の一つのかたまりが指先に隠れれば巻積雲、はみだせば高積雲といわれる。
●高層雲(こうそううん)
空の中くらい(高度2~7キロ)の高さに現れる、空一面に広がる雲。
太陽の光がかなり弱められ、ぼんやり見えることから「おぼろぐも」と呼ばれる。これが現れると、雨が近いことが多い。
●乱層雲(らんそううん)
晴れた日に、空の低いところ(地上付近~高度2キロ)にポコポコと浮かぶ、綿のような雲で「綿雲(わたぐも)」と呼ばれる。
●層積雲(そうせきうん)
空の低いところ(地上付近~高度2キロ)に広がる、一年を通してよく見られる雲。明るいところと暗いところの両方があり、「畝雲(うねぐも)」と呼ばれる。
●積乱雲(せきらんうん)
空の低いところから高いところまで(地上付近~高度13キロ)モクモクと大きくなる、いわゆる「入道雲」。
大雨や雷、竜巻などをもたらすことがあり、「雷雲(かみなりぐも)」と呼ばれる危険な雲。
夏の暑い日の昼ごろから現れることが多い。
●層雲(そううん)
雲のなかで、もっとも低いところ(地上付近~高度2キロ)に現れる。
山をべったりかくすように広がることもあり「霧雲(きりぐも)」とも呼ばれる。
★「乱」の字がついた2つ「乱層雲」と「積乱雲」が雨を降らせると覚えましょう。
★低いところにできる層雲と層積雲は水の粒、高いところにできる巻雲、巻層雲、巻積雲は氷の粒、その間の高積雲、高層雲、乱層雲、積雲、積乱雲は水と氷の両方の粒でできています。
これらの写真や特徴を参考に、毎日空の様子を確認しながら「今日見えたのはこの雲だ」という記録をつけてみてはいかがでしょうか。
その際には雲の写真を撮影して印刷し、その隣に、いつ撮影したものかと、そのあと数時間くらいの天気がどうなったかを記入すると良いと思います。
積乱雲が発生すると、間もなく激しい雨や雷雨になることがあります。
また、1種類だけでなく複数の種類の雲が同時に出ていたり、どの種類の雲か分かりにくい場合もあったりするかもしれません。
その場合は「○○雲か△△雲?」のような記録でも良いでしょう。
こうした観察を通して、天気に興味を持ってくれる子どもが増えてくれればと思います。
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