フィリピンの東海上で熱帯低気圧発生へ 台風へ発達の可能性

5月31日に台風2号が発生して以降、しばらく台風が発生していない状況が続いていましたが、日本の南の海上で“台風の卵”となる熱帯低気圧が発生する予想が各国の予報機関で出そろってきました。19日(金)午前の衛星画像で、フィリピン周辺で熱帯低気圧へと発達する可能性がある雲のまとまり(低圧部)が確認できます。このうちフィリピンの東海上の低圧部が19日夜までに熱帯低気圧へとなる可能性があります。

気象庁が発表している19日21時予想の地上天気図で、フィリピンの東海上に「TD」と表示されていますが、このTDは熱帯低気圧を示しています。

平年の台風発生数は6月は1.7個、7月は3.7個となり台風シーズンに入ってきますが、今年は発生のペースが遅くなっています。19日のうちに台風3号が発生することは考えにくいため、もしこの熱帯低気圧が今後台風3号となった場合、今年の3号発生は1951年の気象庁の統計開始以降で、少なくとも5番目に遅い記録となりそうです。

気象庁が週間天気予報の作成などに用いる資料の一つであるアンサンブル予報による地上天気図をみてみます。アンサンブル予報とは、数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算した結果を示してそのバラつき具合などをみるものですが、7月24日(水)9時の予想結果をみると、全体の半数ほどのデータに熱帯じょう乱を示す閉じた円がみられ、台湾や南西諸島周辺に位置しています。発達の程度によって台風になる可能性があります。

では海外の予報機関も同じような予想なのでしょうか、アメリカとヨーロッパの予報機関の予想を見てみます。

フィリピン周辺の2つの雲域 アメリカ海軍の監視対象に

アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。

アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予想結果です。フィリピン周辺とフィリピンの東海上にある2つの低圧部についての予想を発表していますが、このうちフィリピンの東の海上にある低圧部は、今後、沖縄周辺へと北上して東シナ海方面へ進むデータが示されていますが、まだかなりバラツキがあることがわかります。

ヨーロッパの予想でも来週に南西諸島へ北上か

24日9時のアンサンブル予想の地上天気図の個々の結果をみると、場所のバラツキは大きいものの熱帯低気圧または台風となって北上して台湾や南西諸島周辺に達しているデータが多く示されています。

また、予想時刻までの48時間以内に、風速17m/s以上の熱帯低気圧が300km以内のエリアに入る確率を示した予想データを発表していますが、来週23日(火)以降に南西諸島周辺から東シナ海にかけては非常に確率が高くなっているのがわかります。

フィリピンの東の海上にある低圧部が今後熱帯低気圧となって北上して南西諸島から東シナ海へと向かう可能性があることを示しています。

現時点で各国の予想を見る限り、今後、熱帯低気圧または台風が発生して南西諸島を中心に何かしら影響を受ける可能性がありそうです。ただ、まだ予報にブレ幅があるため最新の気象情報をご確認ください。

※正式な台風に関する予報については気象庁が発表する情報を確認してください。

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