特別警報 去年8月に鳥取県に発表されて以来
《被害の情報》
《交通情報》
災害担当記者の解説
午後1時までの1時間には、山形県が真室川町に設置した雨量計で55ミリの非常に激しい雨を観測しました。また、秋田県でも大雨となっていて、正午までの24時間の雨量が由利本荘市東由利で226ミリ、湯沢市で193.5ミリに達して平年の7月1か月分を上回り、いずれも統計を取り始めてから最も多くなりました。この大雨で、由利本荘市を流れる子吉川水系の石沢川では25日未明に堤防が決壊し、氾濫したとして国土交通省が氾濫発生情報を出しました。このほかにも秋田県では子吉川で氾濫の危険性が非常に高まり、「氾濫危険情報」が発表されています。秋田県と山形県では氾濫危険水位を超えている川があるほか、秋田県と山形県、宮城県では土砂災害の危険性が非常に高まり、土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。東北の日本海側を中心にあすにかけて雨が続き、局地的には非常に激しい雨が降るおそれがあります。低い土地の浸水に最大級に警戒し、土砂災害や川の氾濫にも警戒が必要です。屋外の移動が危険な場合には建物の2階以上や山の斜面から離れた部屋など少しでも命が助かる可能性が高い行動をとってください。すでに安全な場所にいる人は引き続き避難を続けてください。
気象庁によりますと、大雨の特別警報が発表されたのは去年8月15日に台風7号の接近にともなって鳥取県に発表されて以来で、山形県に出たのはおととし8月3日以来です。
山形県に大雨特別警報が発表されたことについて、気象庁と国土交通省はこのあと午後2時から会見を開き、今後の警戒点などについて説明することにしています。
政府は午後1時5分、総理大臣官邸の危機管理センターに「官邸連絡室」を設置して、情報収集と警戒にあたっています。
山形県遊佐町は大雨による河川の氾濫と土砂災害の危険性が高まったとして、午後1時、町内全域の4890世帯、1万2286人に「緊急安全確保」を出しました。警戒レベルは最も高い「レベル5」で、周囲の状況を確認し、近くの建物や自宅の2階以上、斜面から離れた場所など、少しでも安全な場所で命の助かる可能性の高い行動をとるよう呼びかけています。
消防によりますと、山形県北部にある鮭川村で「大雨による浸水で住宅の中に2人が取り残されている」と役場から通報があったということです。消防が現在、救助に向かっているということです。
山形県によりますと、氾濫危険水位を超えている真室川町を流れる鮭川の大沢橋付近では両岸から川の水があふれ出ているということです。真室川町は周辺に避難指示を出していて危険な場所から避難するよう呼びかけています。
消防によりますと、25日午前9時20分ごろ、山形県真室川町青沢地区の国道344号で「土砂崩れで車3台が立往生している」と通報があったということです。その後、消防が現場に駆けつけたところ、車3台に乗っていた人はすでに車から離れていて、けがをした人はいないということです。
秋田県にかほ市では、大雨で川の水があふれ、周辺の住宅に被害が出ています。このうち、にかほ市平沢では、住宅の近くを流れる琴浦川があふれたということで、近くの家や道路に泥や流木が散乱していました。また、川のそばにある住宅の土台がえぐられていて、基礎の部分がむき出しになっていました。親戚がこの家を借りていているという男性は「今の状態ではこの家はもう使えない。自分も巻き込まれたかもしれないと思うとぞっとします」と話していました。また、家の前にあふれた泥を掃除していた80代の女性は、「川の方から水と一緒に泥が流れてきてひざくらいまでつかりました。60年ほど住んでいますが、これほどの被害は初めてでとても怖かったです」と話していました。
JR東日本によりますと、大雨の影響で、山形新幹線は山形駅と新庄駅の間の上下線で終日運転を取りやめるということです。
社会部 災害担当の老久保勇太記者の解説です。
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